NPO法人eboardは、不登校支援において先進的な取り組みを行う全国14自治体を対象に調査を実施し、行政・教育関係者向けの報告書を制作した。同法人のWebよりダウンロードできる。
本調査は、2025年には不登校児童生徒数が35万人を超え、うち約3人に1人が専門的な支援を受けられていないという社会課題の解決のために、自治体と民間団体が連携して持続可能な支援体制を構築するための、具体的なロードマップを示すことを目的に実施。
報告書では、公費助成の程度と質的保障の在り方から、自治体の支援施策を「4つの型」に分類。自治体の現在地の客観視を可能にし、「制度拡充(行政主導)」と「民間育成」の2つの経路において、予算・人員・組織文化の観点から生じる具体的なボトルネックを整理した。さらに、自治体が実効性のある不登校支援施策を推進するため、「フリースクール等民間団体との早期の関係構築」「各自治体の地理的条件や人口動態に応じた、制度設計」「学校内・外、両輪での支援」の3つを提言を行っている。

現在の不登校の増加、人口減少地域における学校の統廃合等を考慮すると、フリースクール等民間団体の存在なくして、不登校の子の居場所や学びの確保は実現できない。【B:民間育成経路】の土台となるフリースクール等団体との関係構築には、時間を要するため【A:制度拡充経路】を強化していく場合でも、並行してできるだけ早期に民間団体との関係づくりを進めていくことが望ましい。
フリースクールへの運営費補助やメタバースによる不登校支援等の新しい取り組みでは、同じ施策であっても予算措置やその運用体制において自治体間に違いが見られ、それが成果の違いにもつながっていた。施策そのものだけでなく、各自治体が置かれた地理的条件や人口動態、民間団体との関係性等の要素に基づき、近しい条件に置かれた好事例の細部から学び、制度設計することが求められる。
校内の居場所と学校外(民間フリースクール等)の支援を切り分けず、一体的に進めること 。官民問わず、学校外での取り組みが着目されがちだが、本来的には学校や教室がすべてのこどもが安心して過ごし、学べる環境であることが望ましい。学校外での居場所や学習機会の確保は欠かせないが、安易に「学校に来れないのであれば、学校外で支援すればいい」という考えに偏ってしまっては、学校をさらに「学校に合う子の場所」にしてしまいかねない。学校外との円滑で充実した連携のためにも、「基本支援型」に位置づけられる取り組みは欠かせないものである。
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