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東京都府中市、2万人規模の次世代校務DX基盤を内田洋行が構築~ゼロトラスト、統合ID認証と生成AI活用で教員の働き方変革を支援

2026年6月4日

東京都府中市では、約2万1000人(教職員約2000人/児童生徒1万9000人、小・中学校33校)が利用する次世代校務DX基盤を構築。今年1月より教職員環境の運用を開始し、4月から児童・生徒環境を含めて全面展開を開始している。6月1日、本基盤構築を担当した内田洋行が発表した。

東京都府中市、2.1万人規模の次世代校務DX基盤を内田洋行が構築~ゼロトラスト、統合ID認証と生成AI活用で教員の働き方変革を支援

■ゼロトラストと統合認証を展開し、生成AI活用を進める

本基盤では、教職員が安全・安心かつ快適に業務を行える環境の実現に向け、ネットワークとセキュリティをクラウド上で一体運用するSASE(Secure Access Service Edge)を中核としたゼロトラスト型ネットワークを採用した。

従来分離されていた校務系・学習系ネットワークを再設計することで、教職員は1台の端末で校内外を問わず業務を行えるロケーションフリー環境を実現している。また、児童・生徒が利用する学習環境にも多要素認証に対応した統合認証基盤を展開し、利便性とセキュリティを両立した。

さらに、Microsoft 365 Education A5やGoogle Workspaceを統合管理し、教職員による生成AI活用(Microsoft 365 Copilot)にも着手。業務効率化や働き方改革を進めている。

 

■教職員の働き方を変える次世代校務基盤

府中市では、ゼロトラストの考え方に基づき、ネットワーク構成を抜本的に見直した。SASEの技術により通信経路を常時暗号化し、利用者や端末の状態を確認したうえでアクセスを許可する仕組みを導入。これにより、教職員は1台のノートPCで校務と学習の双方を安全に扱うことが可能となり、校内のどの場所でも職員室と同等のセキュリティ環境で業務を行えるようになった。

本基盤では、従来の閉域網や専用回線に依存することなく安全なインターネット接続を確保するとともに、将来的なクラウドサービス追加にも柔軟に対応できる。通信そのものを保護する設計により、盗聴や不正侵入リスクを低減し、安定した運用を支えている。また、教職員端末や通信ネットワーク機器はクラウド運用管理及び、24時間365日体制で監視され、サイバー攻撃への備えも強化されている。

 

■利用者ごとに認証方式を最適化した多層セキュリティ基盤を構築

教職員と児童・生徒それぞれの利用環境に応じて認証方式を最適化し、安全性と利便性を両立した多層セキュリティ基盤を構築した。教職員については、登録済み端末のみから利用可能とするデバイス認証に加え、生体認証として顔認証とPINコードを組み合わせた多要素認証を導入している。これにより、IDとパスワードだけに依存しない認証を実現し、認証情報の盗難リスクを大幅に低減。一方、児童・生徒には、端末ごとの証明書認証を採用し、安全かつ円滑にクラウドサービスを利用できる環境を整備。これにより、利用者の負担を抑えながら、適切なアクセス制御を実現している。

さらに、校務関連キーワードを含むデータについてはUSB等の外部記録媒体への書き込みを制限。メール送信時には警告表示を行うとともに、添付ファイルを自動的に安全な共有リンクへ変換し、閲覧時にはワンタイムパスワードを求める仕組みを整備した。誤送信などのヒューマンエラーを未然に防ぐ多層的な対策を講じているる。

 

■クラウドを横断管理する統合ID基盤を構築

教職員と児童・生徒が複数のクラウドサービスを円滑に利用できるよう、統合認証基盤を整備した。Microsoft 365 Education A5やGoogle Workspace for Educationなど複数環境のアカウント情報や権限を統合し、“ひとつのID”で各種サービスへアクセスできる環境を実現している。

シングルサインオンによりログイン時の煩雑さを解消し、授業や校務開始時の時間的ロスを軽減。また、人事異動や年度更新時の名簿連携やアカウント変更も一括反映できるため、学校現場や教育委員会の管理負担も軽減できる。

 

■デジタル教科書活用を可視化するダッシュボードを開発予定

2026年から東京都の補助金を活用し、デジタル教科書の利用状況を横断的に可視化するダッシュボードを内田洋行が開発・構築する。

デジタル教材の導入は進む一方で、「どの教科でどの程度活用されているのか」「学校間で活用状況に差がないか」といった実態を全体で把握する仕組みは充分に整備されていなかった。本取組では、教科別の利用時間、プラットフォーム別の利用状況、教材別の活用状況を可視化し、学校・学年・教科単位で分析できる環境を整備する。複数事業者の教材利用状況を横断的に可視化し、全校規模で活用できる点は先進的な取組だ。

将来的には学習履歴やICT活用データと連携し、エビデンスに基づく政策立案(EBPM)を支える基盤へ発展させる構想で、データ活用まで見据えた基盤整備を同社が担当する。運用保守・ICT支援員による伴走も行う。

 

■生成AIの全校展開により、教職員の業務効率化と働き方変革を推進

市立小・中学校を対象に、生成AI「Microsoft 365 Copilot」を活用した校務支援を開始した。市内すべての小・中学校において、各校7人の教職員が利用できる環境を整備し、校長、副校長、主幹教諭、ICT担当教員など学校運営の中核人材から活用を進めている。

生成AIは、通知文や保護者向け案内文の作成、会議資料の整理、議事録の要約など、教職員の日常業務を幅広く支援。文書作成業務を多く担う管理職やICT担当が率先して活用することで、安全な運用ルールや活用事例を蓄積し、将来的な活用拡大につなげていく考えだ。

 

■AIエージェントによる校務支援への展開

Microsoft Copilot Studioを活用し、校内ナレッジを活かしたAIエージェントの構築を進める。校内規定や申請手続き、セキュリティポリシー等に関する質問に即座に回答できる仕組みを整備し、教職員が必要な情報へ迅速にアクセスできる環境を目指す。

 

■「教職員が子供に向き合う時間を確保するための基盤整備」

東京都府中市、2.1万人規模の次世代校務DX基盤を内田洋行が構築~ゼロトラスト、統合ID認証と生成AI活用で教員の働き方変革を支援

府中市教育委員会 事務局教育部指導室 隅内裕室長補佐

今回の導入にあたり、府中市教育委員会の隅内裕氏は次のように語る。

「府中市教育委員会では、多様化・複雑化する教育課題に的確に対応するため、セキュリティ対策と利便性を両立させたネットワーク基盤の構築を喫緊の課題として捉えてきました。本取組により、学校現場のICT環境は抜本的に見直しされ、教職員は意識することなく、暗号化されたセキュアな通信で各種システムを利用できるようになり、時間や場所を選ばず、安全に業務を行える環境が整備されたものと考えています。

導入当初は、教職員に戸惑いも見られましたが、株式会社内田洋行の皆さまによる手厚い支援により、早期に安定稼働できました。今回、構築したネットワーク基盤は、生成AIやデータ利活用等、教育DXを推進していく上で重要な基盤となるものです。引き続き、教育DXに積極的に取り組み、創出された時間を児童・生徒一人ひとりの支援の充実等につなげ、持続可能な学校教育の実現を目指してまいります」。

 

府中市教育委員会

株式会社内田洋行

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