神奈川県立平塚中等教育学校の4年生(高校1年生相当)158人を対象に、三菱電機およびBYDが連携して実施した「デザイン思考を活用した地域探究プログラム」が半年間の過程を終えて完結した。2025年12月から開始された本取組の完了に伴い、生徒への振り返りアンケート結果が公表された。学校・企業・地域の3者が連携した探究学習の実践事例として、教育関係者から関心を集めている。

本プログラムでは、利用者や地域の声を起点に課題を提示し、試行錯誤を重ねながら解決策を導き出す「デザイン思考」を核に据えた。単に教室で企画書を作成して終わる従来型の学習にとどまらず、生徒が自ら地域へ足を運び、実社会の中でアイデアを形にする実践的なプロセスの構築を目指している。
具体的には、生徒たちは三菱電機が提供する駅・街の魅力発信サービス「ekinote」を活用し、平塚駅および伊勢原駅周辺の取材・撮影と32本に及ぶ記事制作を展開した。さらに今年度は学びを深め、地域店舗との直接交渉を通じてロゴ制作や新メニュー開発といったコラボレーション企画を実現させた。
また、すべての活動が当初の計画通りに進んだわけではない。店舗調整などの難航に伴い、一部の班は活動内容を柔軟に変更。平塚市のコミュニティスペース「まちなかベースきちきち」を拠点として地域イベントの企画・運営に挑むなど、突発的な課題や天候などの状況変化に対応するリアルな社会体験を重ねた。
活動終了後に実施されたアンケートによると、72.2%の生徒が「地域・企業・学校が連携した学びを実感した」と回答した。身についた成果として「チームで協力して進める力」(56.3%)や「アイデアを企画として形にする力」(44.9%)が挙げられた。
自由記述では「大人と同じように打ち合わせをした経験が印象に残った」「原価や価格設定、契約など、学校では学べないことを知ることができた」といった実社会ならではの気づきが上がった。失敗や方向修正を伴う試行錯誤のプロセスそのものが、生徒たちの主体的な成長と協働の力を育む有効な場となったことを示している。