文部科学省は9月2日、教科用図書検定調査審議会総括部会を開き、デジタルコンテンツを含む新たな教科書の検定に関する方向性の骨子案を示した。現行の紙のみを想定した制度を見直し、動画や音声、シミュレーションといったデジタル特有のコンテンツを主たる教材としてどう扱うか、具体的な掲載要件を整理している。
デジタルコンテンツの掲載にあたっては、学習指導要領を踏まえ「教科の本質的理解の獲得」に役立つことを必須要件とした。原則として授業時間内で活用されることを想定し、単なる文章の音読データや、生物や物質等の情報を網羅的に掲載した図鑑データ、娯楽要素の強いゲーム、授業自体を代替するような講義動画などの掲載は認めない方針だ。
動画は文字や図画で表しにくい内容を学べる一方、受動的な視聴になりがちな点や、現状でも長時間の動画が設定されている課題が指摘されている。そのため、教科の特性に応じて受理種目・単位ごとに動画の総量に上限時間を設けるとした。さらに、強い光や点滅など、映像特有の心身の健康への影響に十分配慮し、客観的に明白な誤りがないことなども審査基準に盛り込む。
教科書の構成面では、デジタル部分もスクロールせずに画面内で一度に判読できる分量ごとにページを区切るよう求めた。紙とデジタルを組み合わせるハイブリッドな形態の場合は、相互の関連性の明示と適切な役割分担が求められる。一方、音声読み上げや文字拡大、ルビ表示などの「機能」面については、機能の有無や目的の確認にとどめ、検定において詳細な動作確認は行わないとしている。