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教育ICT

校務DXで共同調達の事例を共有~第2回次世代校務DXサミット

2026年8月26日

第2回 次世代校務DXサミットが7月24日に開催され、文部科学省による基調講演と、次世代校務DXの共同調達を進めている3県が登壇した。

司会者は、新潟県を「次世代校務DXのフロントランナー」、鹿児島県を「パイオニア」、栃木県を「ネクストランナー」と紹介。 文部科学省 初等中等教育局 参事官(デジタル学習基盤担当)付 教育改革調整官(命)教育DX推進室の谷合俊一室長は「今日のサミットで仲間を作り、力を合わせて取り組んでほしい、すべては子供たちへの教育の充実のためである」とあいさつした。

校務DXで共同調達の事例を共有~第2回次世代校務DXサミット

共同調達を進めている新潟県、鹿児島県、栃木県が登壇

基調講演では「次世代校務DX環境」の整備について、教育DX推進室校務データ連携企画係の伊藤遼吾係長が登壇。GIGAスクール時代の教育DXや働き方改革の流れに適合するためには、校務DXが必須であると説明した。

目標は、個別最適な学びと協働的な学びの実現により子供たちの学びを豊かにすること。そのためには学校における働き方改革の推進や校務DXによる業務改善が必要であり、次世代校務DX環境の整備はこれらの土台となると話した。

学校における働き方改革/教育活動の高度化/教育現場のレジリエンス確保の3つが1体となること、都道府県内のどこで働いても同じ環境であることが重要であり、この実現のために共同調達を推奨している。

「共同調達を円滑に進めるためには、都道府県教委と域内市町村教委の丁寧な対話と適切な役割分担が必要。今日の事例を参考にしてほしい」とし、共同調達・共同利用のメリット(表参照)や、すべての都道府県教育委員会との打ち合わせを踏まえた整備進捗見込みを示し、文科省の強い意気込みを示した。今後は伴走支援や相談窓口における専門人材の派遣を始めとして、強力に加速する考えだ。

校務DXで共同調達の事例を共有~第2回次世代校務DXサミット

共同利用で学校の仕事の在り方を変える

<新潟県>寺田寛・新潟県教育庁 義務教育課 教育情報化推進担当

新潟県は、整備ステータスで最上位のA(下表参照)=運用の段階である。整備前は4社の校務支援システムが市町村ごとに独自カスタマイズされており、未整備自治体も4つあった。ネットワークも学習系と校務系に分離していた。

現在は13/30自治体で共同利用を開始。次年度はさらに8自治体が加わる予定(新潟市は含まれていない)。新潟県学校ICT環境整備推進協議会に「1人1台端末共同調達部会」と「次世代の校務DX推進部会」を内包し、情報交換を行っている。

業務効率化や県内データ標準化による負荷軽減、有事を想定した業務継続性の担保などは概ね完了している。

校務DXチェックリストで肯定的回答が顕著だった項目は次の6つ。①教職員個人メールアドレスの付与・利用(市町村を異動してもアドレスは変わらず連絡が取りやすい)②欠席・遅刻連絡のクラウド活用(ロケーションフリーで利用でき効果が見えやすい。児童生徒の顔を見ながら健康管理が可能)③CBTの活用④保護者アンケートのクラウド活用⑤学校徴収金のオンライン化(共同利用で調達)⑥職員会議等の資料のペーパーレス化(クラウド利用に慣れてきた秋頃から増えた)

今年度は出張先や研修先からのアクセス、夏休みのテレワークなど、教員の柔軟な働き方を実現。次年度に向けて休暇簿・出張命令簿のデジタル化を進め、学校の仕事の在り方を変えることが重要とした。学習データの利活用については今後実証を重ね、教育の質向上を図る。

校務DXで共同調達の事例を共有~第2回次世代校務DXサミット

2030年度までに全自治体で運用開始

<鹿児島県>時任志郎・鹿児島県 教育庁 総務福利課教育DX推進室指導主事

鹿児島県も新潟県と同様に、整備ステータスはA=運用の段階である。

整備前は、校務支援システム2種類が混在で未導入自治体もあった。

クラウド型校務支援システムを共同調達し、現在13/43自治体で導入、次年度は21自治体が追加され、2030年度までに全自治体導入予定。費用負担は初期費用が全自治体一律、運用費用は学校数に応じた月額一律で、市町村によっては約4割の費用削減となる。必要となるネットワーク等は各市町村で整備。

県、校務支援システム開発企業、導入支援・保守企業、ダッシュボード支援企業の4者による定例会を月1回実施し、進捗状況の確認や検討を行っており、重要な役割を担っている。

想定外のこともある。まず、導入スケジュールだ。当初は新システムで新年度をスタートする予定であったが、校務等への影響を踏まえて夏から始めた市町村もあった。

もう一つは外字の統一である。高校入試など既存の仕組みや他システムとの連携が必要でゴールは遠かったが、実現した。これにより転校、進学時データ連携が容易になった。

各市町村担当者からは「進めること」を前提とした前向きな意見が多い。単なる整備ではなく一人ひとりの教員の働き方改革、そして子供たちの豊かな学びにつながる取組だと感じている。

共同調達は全市町参加が大前提

<栃木県>辻泰臣・栃木県教育委員会 教育DX推進室ICT教育推進チーム

県の施策「とちぎ教育ビジョン2026-2030」に「教育DXの推進」を位置付けている。

栃木県の整備ステータスはD=計画策定の段階。現在、統合型校務支援システムは5種類混在(7地区中、4地区内でそれぞれ統一)で未導入自治体もある。

2023年度から次世代校務支援システムの共同調達を検討。全7地区の教育事務所からは「異動負担軽減」や「学校事務の効率化」などの要望があった。

初めに行ったことは次の通り。①市町実態調査②文科省資料で流れの把握③他県の状況確認(北関東3県で担当者チャット構築)④共同調達の基本方針作成と市町への周知

会議体は端末の共同調達会議を活用して都道府県教育長会議などの情報を共有。共同調達は全市町参加を大前提とし、月1回の部会を継続。県と市町のチャットルームも立ち上げ。これが各市町からの質問、提案への随時対応、市町教育長(首長)への情報共有や説明に役立った。

2025年度に、システム選定についての協議を開始。具体的には、▽校務分類一覧作成・As-Is(現状の姿)の確認、把握▽To-Be(あるべき姿)を考えビジョン設定(8月)・改善案検討▽Can-Be(実現可能な姿)を考えてロードマップを作成(1月)

2026年度は業者選定、28年度構築、29年度稼働予定。現在は10月予定の首長説明に向けて準備中だ。

 

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年8月24日号掲載

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最新号見本2026年08月20日更新
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