プライムセンスは8月17日、カメラを使用しないプール安全監視システム「Meel(ミール)」をリリースした。
近年、学校プール施設の老朽化や維持管理コストの増加、教員の負担軽減などを背景に、水泳授業を民間施設へ委託する自治体が増加している。それに伴い、受け皿となる民間施設にはこれまで以上に高度で安定した安全管理体制が求められている。このような教育現場の環境変化を背景に、同社は従来の目視に依存する体制から、より確実な安全管理への移行を支援する同システムを開発した。

本システムの最大の特長は、カメラを使わずに利用者の状況を把握できる点だ。児童生徒はRFIDタグを内蔵した専用の「ティアラ」を頭部に装着して授業に臨む。システムは高速通信を通じて水中の状態を24時間監視し、異常の可能性を検知した際には、監視員の端末へ即座に通知を送る。
水泳授業では子供が水着姿になるため、防犯カメラなどによる映像や画像の取得には保護者からも慎重な配慮が求められる。一切の画像を取得しない本システムであれば、プライバシーを確実に守りつつ、強固な安全体制を構築することが可能だ。

同システムは、人間の監視員を完全に置き換えるものではない。「監視」と「救助」を異なる役割と捉え、テクノロジーがいち早く異変の検知を担い、その情報をもとに状況を判断して救助を行うのは人であるという設計思想に基づく。これにより、長時間にわたり多数の児童生徒を目視で見守り続ける教員や施設スタッフの精神的・肉体的負担を大幅に軽減し、より実効性の高い安全管理をサポートする。
開発にあたっては千葉大学フロンティア医工学センターと共同研究を行い、水面環境における通信特性や異常検知アルゴリズムの検証を重ねた。アカデミックな知見に基づく実証を行うことで、教育現場への導入に足る高い信頼性を確保している。すでに7月には、全国7拠点の民間スポーツクラブで運用が開始された。同社は今後、プール施設にとどまらず、園バスでの子供の見守りなど、自治体や教育機関が抱える様々な安全管理の課題解決にも寄与していく方針だ。