ヤクルト本社は、現役の大学生・短大生および子供の受験を経験した保護者、それぞれ1000人を対象に「受験期における心身ストレスの変化」に関する実態調査を2025年7月に実施。その結果、一般入試直前の冬だけでなく、夏休み明けの秋(9月~10月)から受験に関する不安や悩みといった“受験ストレス”を約8割が感じていることが分かった。また、夏休み明けの秋には、試験本番や進路に対する不安を感じ始める傾向にあることが分かった。

今回の調査によると、夏休み明け(9月~10月)における受験ストレスについて、「強く感じた」「やや感じていた」と回答した受験経験者は、全体の約8割(79.6%)に上る。また、試験本番や将来に対する不安を感じ始める時期についても、夏休みから秋にかけて年間で最も大きな増加幅(+7.6ポイント)となる傾向が見られた。ストレスのピークにおいては最終調整期(11~12月)に最も増加(+15.3ポイント)する傾向も見られ、受験ストレスにおいて9月から10月が大きな境目になっていることが分かる。

不安を感じる大きな要因として、成績の伸び悩みや模試の判定結果へのフラストレーションが挙げられる。さらに、「周りが本格的に勉強を開始している中で自分だけ取り残されているような感じがした」、「周りが本腰を入れ始めて焦りしかなかった。常に倍率や難易度を調べていた」など、周囲との比較による精神的な負担も多くの受験経験者が訴えていた。

こうした調査結果から、夏に頑張った分、自分への期待がプレッシャーに変わり始めたり、部活動を引退して夏から本格的に受験勉強を始めたものの、先の見えない状況に不安を感じたりと、9月を境目に受験生の心理的負担が高まる傾向にある。さらに、自身の学習の進捗や成績への不満に加え、志望校選びなど進路に関する悩みも重なり、不安やストレスが複合的に高まりやすいタイミングであることが分かる。
健康面で不調を感じた時期があるかという質問では、冬前(10月まで)と回答する割合が31.7%と約3人に1人が体の不調を経験。“つらいのは一般受験直前の冬”という一般的なイメージとは異なり、秋までの段階で体の不調を感じ始める人も一定数いることが明らかになった。保護者側も夏休み明けに子供にしてあげたいサポートとして、「学習環境の整備(30.1%)」、「メンタルケア(46.2%)」を上回り、「健康管理(51.1%)」が一番多い回答となった。メンタルケアだけでなく健康管理も、早い時期から始めることが重要であり、睡眠や食生活の改善についても積極的に取り組んでいくことが大切であることがうかがえる。

家族とのコミュニケーションに関する質問では、受験経験者の約7割が家族からのサポートに「ありがたみを感じている」と回答。保護者側も受験期における子供とのコミュニケーションについて、77.3%が「話していた」と回答。

一方、約4人に1人の受験経験者は、「志望校のこと(25.7%)」「勉強以外の雑談や息抜き(24.7%)」「漠然とした不安(24.2%)」などについて、「もっと家族と話したかった」と回答しており、受験期の家族内コミュニケーションに認識のズレが垣間見られた。

保護者が子どもの受験期に戻れるとしたら、どんな話をしたいかという問いに対しては「勉強以外の雑談や息抜き(30.6%)」「将来(大学卒業後)のキャリアや進路(24.1%)」「志望校のこと(23.4%)」が上位に挙げられる。受験という心身ともに悩むことの多い期間だからこそ、何気ない会話や信頼できる家族への相談が求められていることが分かる。

【お笑いコンビ「ニューヨーク」による受験生を応援する広告を掲出】

こうした調査結果を受け、ヤクルト本社では夏休みが明けた9月から受験生を応援するさまざまな施策を始動。9月4日から全国の高校約630校での校内放送ジャックを実施。
9月15日からは、お笑いコンビのニューヨークの2人をアンバサダーに迎えて、渋谷駅構内ハッピーボードなど関東各地の駅構内で受験生へのエールを込めた、計11パターンの交通広告を順次掲出。広告では受験生ならではの心の葛藤を表現する。