今年初めて開催された「第1回 10代がえらぶ海外文学大賞」の受賞作品が10月31日に決定し、11月12日に東京・千代田区の日本出版クラブで授賞式が実施された。
大賞を受賞したのは『ソリアを森へ』(=写真。チャン・グエン/作 ジート・ズーン/絵 杉田七重/訳 鈴木出版)。
また特別賞には『闇に願いを』(クリスティーナ・スーントーンヴァット/作 こだまともこ、辻村万実/訳 静山社)が選ばれた。

授賞式のようす
12日の授賞式には、受賞した作品の翻訳者だけでなく、投票した10代の子供たち、1次投票で選ばれた22冊に携わった翻訳者、編集者、選考委員、参加希望の一般の人など110人ほどが参加。翻訳者へ子供たちが質問する場面も設けられるなど、和気あいあいとした雰囲気となった。
「10代がえらぶ海外文学大賞」は、10代の人に海外文学の面白さを伝えようと今年初めて開催された。
実施の前年(2024年)に刊行された10代が主人公の海外文学作品で、小説に限らず、漫画(グラフィックノベル)、絵本、詩集なども対象としている。今年5月に幅広い世代から1次投票を募り、票の多い16冊を選出。そこから6名の選考委員の推薦図書6冊を合わせ、全22冊から、10代の人に特に勧めたい7冊がノミネートされた。
9月にはノミネートされた7冊から、10代の人が選んで投票する2次投票を実施。受賞作品が決定した。
2次投票する際には、なぜ投票したのか、感想などのコメントが寄せられており、一部は同賞Webサイトで公開している。大賞を受賞した『ソリアを森へ』は、2次投票で10歳から19歳まで幅広く支持を得ていたという。
なお「大賞決定」のチラシ(=左)などは、Webサイトでダウンロード素材を提供している。
Webサイト