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教育ICT

学習者用デジタル教科書<情報教育対応教員研修全国セミナー>

2018年3月5日
特集:新学習指導要領で求められる学び

“わかったつもり”に揺さぶり
“読み”が深まり“深い学び”へ

国語と情報教育を追究する冬季セミナー2018・平成29年度情報教育対応教員研修全国セミナーが2月3日、東京都内で開催され、約100名の学校教職員が参加した。テーマは「新学習指導要領で求められる学びを体験する~デジタル教科書で実現する主体的・対話的で深い学びとは~」。主催は(一社)JAPET&CEC。

学習者用デジタル教科書の授業デザインについて討論

学習者用デジタル教科書の授業デザインについて討論

中川一史教授(放送大学)は新学習指導要領の総則に「情報機器」を「適切に活用した学習活動」が求められていることを示し、「本セミナーでは国語学習者用デジタル教科書の役割に焦点をあてて検討する」と主旨を説明。「デジタル教科書は世界的に広がっており、既に子供たちは紙の教科書とデジタル教科書を使い分けている。紙にはない様々なメリットを活かした新しい指導方法を再構成していくタイミングではないか」と語った。

〝教える〟から〝自ら学ぶ〟ツールへ

◆本文に向き合う真剣度が増した
「マイ黒板」で本文や絵を抜き出して整理(上・中)

「マイ黒板」で本文や絵を抜き出して整理(上・中)

「マイ黒板」で本文や絵を抜き出して整理

模擬授業では様々なまとめ方がみられた

実践対談「学習者用デジタル教科書の実践と考察」で中橋雄教授(武蔵大学)と、野村真一教諭(関西学院初等部)は、学習者用デジタル教科書の活用意義や方法についての対談を行った。

野村教諭は指導者用デジタル教科書を10年以上活用しているが、学習者用デジタル教科書の活用は昨年夏からだ。「『指導者用』はこれまでの教え方を大きく変えることなく、より便利かつ効果的に授業を進めることができる。それに対して『学習者用』は、授業デザインのパラダイムが大きく変わる。子供はデジタルネイティブそのもので、すぐに使いこなす。子供の書き込みや解答など大量の情報を、教員は迅速に入手できるため、一瞬の判断が求められる。これまで感じたことのない緊張感をもって授業に臨むことになる」と語る。

子供に対するメリットも大きい。他の児童の思考のプロセスが可視化できるので、学び合いがうまく進むという。
学習者用デジタル教科書に自ら書き込んだり消したりして編集できるなど、試行錯誤が容易になることから、本文に向き合う真剣度が増す。根拠となる表現を提示しながら議論を進められるため他者の意見を理解しやすくなり、議論も活性化する。これまでしばしば見られていた「~な気がする」などの「印象」に左右されるシーンが減り、議論に深みが増した。

教材文「大造じいさんとガン」(5年)では、情景描写と心情描写を検討する中、「すべての表現が心情につながっている」という結論につながった。

「今後は、文学研究の手法を取り入れた読解に挑戦したい。擬声語や色、文末表現を抜き出すことによって発見を促す活動が、学習者用デジタル教科書では容易になる」と語った。

中橋教授は「他の児童がどんな考えを持っているのか知りたい、という授業を展開していた。学び合いをうまく進めるためには、大量の児童の書き込みから効果的な議論の種を素早く発見する必要がある」と語った。り入れた読解に挑戦したい。擬声語や色、文末表現を抜き出すことによって発見を促す活動が、学習者用デジタル教科書では容易になる」と語った。

◆「マイ黒板」で文章構造を理解

「学習者用」を活用した模擬授業は、「こまを楽しむ」(3年)が教材文だ。

石川等教頭(身延町立下山小学校)は、学習者用デジタル教科書の「マイ黒板」の活用を示した。

まとめの文章の最初にある「このように」の「この」が何を指しているのかについて、あてはまる部分を本文から抜き出し並べてまとめ、文章構造の理解を図っていく。「本文を抜き出してマイ黒板上に並べていくと、文章構造が明確になり、説明文の書き方やまとめ方を学ぶことができる。これは、新学習指導要領に示されている『情報の扱い方に関する事項』の学びにつながる」と説明した。

パネル討論

パネル討論で青山由紀教諭(筑波大学附属小学校)は、「読解力とは、文章から情報を取得して自分の経験や知識に照らし合わせながら解釈し、自分なりの考えを持つこと。国語では、テキスト、他者、自分という3つの対話が特に重要。そこで読めたつもり、わかったつもりに揺さぶりをかける必要がある。ここに学習者用デジタル教科書が寄与できるのではないか」と語った。

「ノートをきれいにまとめたい、書き直したくないという児童にとって、マイ黒板はとても便利。人の考えがよくわかり比較検討しやすく、試行錯誤の場を保証できる。本校では情報端末の持ち帰りができないため、作成した画面をプリントアウトして活用している」

佐藤幸江教授(金沢星稜大学)は「デジタル教科書は『話し合い活動』にとても効果的。児童は互いの考えを聞き比べながらデジタル教
科書上で自分の考えを修正している。ノートでは不可能であったこのような活動は、学び合いの促進に役立つ。これらを成功に導くには低学年からの積み重ねが鍵」と語る。

黒川弘一専務取締役(光村図書出版)は「今後、デジタル教科書は、教科書をデジタル化した『デジタル教科書』と、様々なコンテンツやワークなどの『教科書準拠のデジタル教材』に分かれていく。自ら学ぶ力の育成に効果があり、主体的・対話的で深い学びに資するツールとして、アクセシビリティにも寄与しながら、学びのスタイルの多様化に対応したデジタル教科書を提供していきたい」と話した。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年3月5日号掲載

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