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教育ICT

予習中心で授業づくり 反転授業で深い学びへ<篠山市立丹南中学校主幹教諭・中森邦広氏>

2018年12月3日
第53回教育委員会対象セミナー・大阪

教育委員会や学校の整備担当者を対象に実施している「教育委員会対象セミナー~ICT機器の整備と活用・研修」が、10月26日大阪で開催された。次回は12月5日に東京で、2月8日に福岡で開催する。

主体的・対話的で深い学びにつながる反転授業

篠山市立丹南中学校では全教科で反転授業を実践している。主幹教諭の中森教諭が授業の様子を報告した。

丹南中学校では、授業前に次の学習内容を把握して何を学ぶか、どこがわからないかを予め明確にしておき、授業では生徒同士で分かったこと、分からないことを教え合い、演習問題に取り組む反転授業に全教科で取り組んでいる。

予習動画は教員の自作で、1時間につき2~3本、それぞれ1~2分程度のもの。

予習動画のポイントは、学習内容のすべてを盛り込まないこと。次の授業のイメージや理解が難しそうなポイントが分かればよい。

これを見て「分かった」と思う生徒は、誰かに伝えたくて「うずうず」する。すっきり分からなかった生徒は「もやもや」して、授業ではっきりさせたいと思う。この「うずうず」「もやもや」を感じた段階で、生徒には「主体的に授業に臨む」姿勢が生まれている。

授業では、まず班で話し合う。分かった生徒は分かったことを伝え、分からなかった生徒は気になる「もやもや」部分を質問して「すっきり」する。

予習をしてこない生徒は、最初は取り残されるが、グループ内で教え合いが進むうちに「納得」する。予習動画は、授業中も積極的に活用している。

班で課題を解決できなければ、他の班に移動して聞きに行く。班で課題を解決できれば、他の班に移動して教えに行くことで、生徒同士のやりとりが何往復も生じ、対話的な学びの機会が増える。最後に生徒の発表もしくは教員の講義で、学習内容をまとめている。

■プリント演習で学び合いが定着

プリントによる演習でも、コミュニケーションしながら学び合う授業を展開。個別学習から始まり、理解の早い生徒は席を移動して他の生徒に教え、理解できなかった生徒は他の生徒を呼んだり、自分から聞きに行ったりする。聞いて理解すると、他の生徒に教えている。

生徒は動画を復習でも活用している。

理科の反転授業では、実験手順を予習動画で確認し、授業ではすぐに実験。理科において最も重要である「考察」の時間を確保できる。

定期テストの結果を分析すると、反転授業の好影響は、特に成績中間層に表れているようだ。予習中心の授業を随時実施したクラスと原則毎時間実施したクラスでは、毎時間実施したクラスのほうが定期テストの平均点が高いという傾向もみられた。

教科のほか、体育大会に向けて「全校女子ダンス」「全校男子集団演技」も模範演技を動画配信。生徒は熱心に視聴し、短期間で演技が完成していた。

■教員の説明よりも友達の説明を好む

生徒からは「友達の説明は分かりにくい場合もあるが、先生の滑らかな説明よりも理解できる。質問もしやすい」「授業で分からなかったところは動画を見て復習するようになった」「テスト前にまとめて動画を見ている。まとめて見るとよく分かる」と好評で、授業の楽しさの質が変わってきた。

このような授業を日常的に展開していると、生徒は「一斉授業」のみでは満足しなくなる。

新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」が求められている。「対話」だけでは不十分で、「深い学び」にまで達成しなければならない。

「深い学び」には簡単にはたどりつけないが、生徒同士のやりとりが何往復も生じた際に「深い学び」に到達しやすいと感じている。「うずうず」「もやもや」する予習動画づくりが重要だ。

予習動画の作成は初年度、多くの時間を要した。一時的ではあるが、多忙化を招く。しかし動画のストックが増えると多忙化は解消する。

現在は市全体で、予習動画などの学習動画を共有、活用できるシステムを整備している。

教員のスキルアップも進み、負担感が減っている。

【講師】篠山市立丹南中学校主幹教諭・中森邦広氏

 

【第53回教育委員会対象セミナー・大阪:2018年10月26日

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年12月3日号掲載

  1. 聖心女子大学非常勤講師・榎本竜二氏
  2. 淡路市教育委員会教育部長・西岡正雄氏
  3. 川西市立緑台小学校教頭・坪田城達氏
  4. 和歌山県教育委員会総務課教育政策班主事・今井健多氏
  5. 篠山市立丹南中学校主幹教諭・中森邦広氏

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