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教育ICT

さらに増える端末に対応する~3OS対応「無線画面転送」で端末画面を提示<大阪府立成城高等学校>

2021年7月5日
浅川又一校長

浅川又一校長

上田勲教諭

上田勲教諭

大阪府教育委員会(府立高校132校)では府立学校スマートスクール推進事業において、クラウド化やネットワークの増強、生徒用端末・教員用端末等の配備を進行中だ。工業高校として創立した大阪府立成城高等学校は2016年度より「生徒の力を引き出す」「学び直しができる」エンパワメントスクールとして改編。『数理・人文』、『科学・芸術』、『電気情報』、『ものづくり』、『商業実務』5系列の選択制で、多様な学びに対応。教育委員会配備やエンパワメントスクール配備に加え、学校独自で様々な環境を用意して進めている。同校の取組を浅川又一校長と上田勲教諭(電気情報系列)に聞いた。

さらに増える端末に対応する

生徒端末からミラキャストでホワイトボードに提示している

本校には計約250台のPCがあり、すべてのOSが混在。一部はLTE端末だ。

様々な実習に活用しているPC室と実習室は全部で4室。PC40台配備が3室(うち教育委員配備2室、本校配備1室)、20台配備が1室。いずれもWindowsPCだ。

加えてエンパワメントスクール(府内全8校)として生徒用端末80台が配備されており、この端末は昨年度の更新で一新された。卒業記念品として贈られたiPadもあり、授業や行事、委員会活動等で生徒や教員が活用している。

さらに今年度は府立学校スマートスクール推進事業として、教員用端末(Chromebook)が20数台配備された。教育委員会からは、教員研修を本端末で行うと聞いている。

ネットワークやアクセスポイント(以下AP)も、教育委員会配備とエンパワメントスクール配備、本校配備があり、無線、有線、混在含めて計6種類のネットワーク環境がある。ネットワークごとに、使える端末が決まっている。

現在、ほぼすべての普通教室で校内LANWiFiが使えるが、有線LANのみ、WiFiのみという教室もある。

■複雑なNW環境 トラブルも学びに

一般の学校と比較すると、大変複雑な構成だ。学校改編以来、数年にわたり様々な予算で様々な配備が行なわれたためだ。このため授業中に無線APが止まる、などのトラブルも起こる。それにも関わらず教員は、設定を変更しつつ、提示環境や端末を活用している。

ネットワークを活用するためには準備や試行錯誤が必要で「うまくいかない場合は別の方法を考える」ことが日常になっており、教員の姿を見て生徒も共に学び、リテラシー向上につながっていると感じる。

複雑ではあるが、恵まれた環境でもあり、一斉提示や協働学習、個別学習による活用は日常的に行われている。本校では、教員も生徒も、インターネット上にある解説動画等も積極的に活用できるよう、YouTubeなどの動画も視聴できる設定としている。

■無線画面転送で画面提示をシンプルに

大型提示装置は、学校予算により、ほぼ全教室に配備。電子黒板とホワイトボードの設置が多い。

今年度は、端末画面を大型提示装置に表示できる無線画面転送装置「TrinityVision®」の運用をスタート。WindowPCであればミラキャスト機能を使い、WiFi不要で接続できる。iPadからもChromebookからも提示できる。20メートル程度離れていてもつながるので、生徒は自席から大型提示装置にミラーリングしている。授業で端末のOSが混在していても、切替はスムーズだ。

4分割機能もある。本校では1授業につき1015人程度・4グループの授業が多く、グループ学習などで利用したい。

様々なOSの端末のミラーリングを安全にできるセキュリティが施されており、専用アプリなしで簡単に使用できる。LTEiPadの場合、LTE回線を利用して提示することもできる。

WiFiと有線LAN、さらにもう1つの選択肢としてミラキャストが増えたことで、今後、さらに増えていく端末の活用に対応していきたいと考えている。

教員用端末としてChromebookが配備されたことから、現在、Chromebookを活用している教員を中心に「TrinityVision®」を活用。今後、全教室配備を目指している。

PC室の役割が変わった

生徒用端末が増えたことで、調べ学習やグループワーク、発表活動が増えている。

一方、PC室には高性能PCも配備しており、プログラミングやCADなど、個人の制作活動の際に活用している。端末が増えたとしても、PC室の役割は変わらず、さらに価値が高まると考えている。生徒も、委員会活動などで気軽にPC室に出入りし、自由に活用している。

■今後さらに端末が増える

大阪府ではスマートスクール構想を進めている。

端末が増えるに従い、トラブルも増えるだろう。それを担当者1人で対応していると、対応が間に合わず、授業が止まる。そこで、それぞれの教員である程度の問題を解決できるように、マニュアルを各教室に設置し、学校資産を最大限に活用できるようにしたい。

教員も生徒も共に、できることを少しずつ増やし、「こんなことをやってみたい」と思ったときに、選択肢を示すようにしている。

モラルを持って使いこなす生徒に

本校はエンパワメントスクールとして高等学校としての特色や個別最適な学びを視野に入れた学びを展開しており、それを実現するためのICT環境も整備されており、恵まれた環境にある。読み書きそろばんと同様にICTリテラシーを身につけ、モラルを持って使いこなせる生徒を育成したいと考えている。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年7月5日号掲載

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