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教育ICT

【寄稿】「探究の場」提供で 「主体的に学ぶ児童」に<東京都荒川区立汐入東小学校 菅野千枝子教諭>

2021年8月2日

児童が「自分のデータ」を収集、体験を生かす

■見上げてごらん、夜の星を♪

夏の星の学習は、6月から夜空を見上げることから始めることで、関心・意欲を高めていきます。星が見える田舎の子供でも、夜空を見る子は少ないものです。中には、夜が暗いのはいつも曇っているから、と考えている児童もいます。毎晩のように空を見ることで、次第に星の色の違いや動きに気付く児童が出てきます。ここでちょうど7月上旬ころ。単元に入ります。ここまでの事前の意欲喚起をしておきます。これが大事です。

■地面が低くて、水がたまるから「水たまり」だったんだ!

水たまりの正体を探ろう!をテーマに、雨上がりに、グラウンドに検証に出かけました。「水は高い所から低い所に流れるので、水たまりは低い場所にある」という予想を立て、ビー玉を転がして、周りの地面と水たまりの高さ比べをしようというのです。

いざやってみると、予想通りビー玉は水たまりに向かって転がっていきました。そして、実感の声。予想通りだとしても、自分で実験したほうが「実感」できるのです。

教科書にないことも知りたい

■反対に冷やしたらどうなるの?

4年生「もののあたたまり方」では、どの教科書会社も水を温めた場合しか実験しません。冷やした場合については指導書に掲載されていますが参考程度。しかし探究心旺盛な児童は「温める」実験の後に「冷やした」場合はどうなるかと疑問を抱きます。探究心を育むとは、こういう児童を増やす授業を「あえて」仕組み、「主体的な学び」につなげるということです。彼らの呟きや疑問をとりあげるための時間を単元計画に盛り込んでおきたいと考えています。

■金属を試験管に入れた実験はできないの?

「ものの温度と体積」の単元で金属棒と金属球を使った実験をする際、このような疑問が出ました。「いい質問だね。素晴らしい」

まずは褒めます。そして、金属の溶解は、小学校・中学校の理科室ではできないこと、道具も資格も必要であることを伝え、興味のある人は、ぜひ工業系の高校に進学してこの実験をやりましょうと勧めます。理科に端を発したキャリア教育に繋がればと考えています。

児童の主体性は「引き出す」もの

■児童が疑問を持つデータを提供して思考力に火をつける

評価の観点が3つに変わりました。特に「主体的に学ぶ」評価を求められています。従来のような教員主体ではもちろんのこと、児童任せの導入や授業展開では、興味・関心はわきません。

そこで、単元や教示ごとの出会いの場面で、データを示すようにしています。

新聞や地方気象台が公開するデータで、自分達が住んでいる地域の気温をグラフ化しました。春と秋のデータは5月末でも30度近い日もあれば、雨の日は寒くて長袖を着こまなくてはならない10度台の日もあります。グラフ化しても折れ線グラフは乱高下。ところが、教科書に出てくる春の気温は、日に日に右上がり。「先生、これ嘘じゃないの?」「素晴らしい。すごい気付きだね」

ここから、自分達の観測と教科書のデータの違いや共通点を見つけ、学習目標につなげていくことができました。

■「主体性」を評価する

児童の気づきを喚起したり、規則性を発見できるような発問を考えています。始めの主発問は、そこですぐに答えられるようでは、適切とはいえません。

1つ目の補助発問で、自分なりの考えを説明できた児童は評価規準A、次の補助発問で答えられたら評価基準はBなどと決めておきます。その際、具体的な行動目標を、事前に設定しておきます。

例えば、水の温度を上げた実験と冷やした実験の折れ線グラフを比較して、それぞれの特徴を発見していく場面。1つ目の補助発問「100度あたりの温度の違いを比べましょう」で答えられればA。「沸騰の場合は、100度近くになった後、その温度はどう変わりますか」「冷やして氷になった場合、その温度はどう変わりますか」と問いかけて、答えられた児童はB。このように、事前に設定しておくことで、授業中に児童の評価を大まかにとらえることができます。これらの評価を、時間ごとに積み上げていきます。エビデンスに沿った評価を心掛けたいと考えています。


〈プロフィール〉1982年度より山形県公立小学校教員。初任者指導拠点校指導員として、初任者教員の個性を引き出す指導実践等を紹介。教科等全国大会や研究会で授業研究、講演等多数。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年8月2日号掲載

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