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教育ICT

英語の学習者用デジタル教科書活用に初挑戦~柏市立酒井根小学校

2022年5月6日

「GIGAスクール構想」2年目が始まった。柏市教育委員会ではICT端末として小学校1・2年生にiPad、小学校3年生~中学校3年生にChromebookを、充電用電源ケーブル及びタッチペンと共に配備。新入生及び新1年生のGoogleアカウント配備は4月中旬までに終了し、新年度の活用が始まっている。コンテンツとしては、協働学習用アプリやオンラインドリル、情報モラル教育教材など、端末OSに合わせたものを活用。学習者用デジタル教科書については、市の独自事業として2年目となる算数・数学と、文部科学省事業による英語などの活用が始まった。各校ではどのように2年目の取組を進めているのか。4月19日、柏市立酒井根小学校(原寛校長・千葉県)5年生の授業を取材した。

指導者用デジタルブックを見ながら全員一斉にEnglish Songを歌う

【柏市GIGAスクール】
今年度はStep1「教科の学びの活用」からStep2「教科の学びを深める」へ

スモールトークの準備として各自のペースでPicture Dictionaryで単語を確認したり、デジタル教科書で文言を確認したりしている

51組はこの日、英語の授業としては今年度3回目、学習者用デジタル教科書「NEW HORIZON Elementary」「Picture Dictionary(東京書籍)の活用は初めてだ。授業は担任の加藤卓也教諭と外国語授業支援員とのTTで進めた。日付を聞きそのスペルを書く、English Songを歌う、この日の学習のテーマにつながるスモールトークを聞いて2人でやりとりする、書き取りを行うなど、ほぼオールイングリッシュで進めた。

English Songは、指導者用デジタルブックを提示して全員で歌う。歌い慣れているようで元気な声が響く。

この日のゴールは、名前のつづりや好きなもの・ことをたずねるやりとりを英語でできるようにすること。色や食べ物、スポーツに関する様々な単語は、外国語授業支援員の発音をリピートした。

加藤教諭が学習者用デジタル教科書やPicture Dictionaryを確認するように伝えると「学習者用デジタル教科書にログインしてからQRコードをクリックする」児童や「教科書のQRコードを端末のカメラ機能を使ってコンテンツにアクセスする」児童がいた。教科書掲載のQRコードからも学習者用デジタル教科書のコンテンツにアクセスできる。学習者用デジタル教科書活用が初日ということもあり、使い慣れていない様子もあったが「それどうやってやるの」と教え合う様子が教室のあちこちで見られ、端末自体の活用には慣れている様子だ。Picture Dictionaryにアクセスした児童は、やりとりに必要な単語の意味や読みを確認。実際のやりとりでは「eスポーツが好き」など、教科書には掲載されていない返答も出ており、やりとりを楽しむ様子が見られた。

端末は毎日活用 自学も始まる

児童は毎朝Google Classroomを見て係のお知らせ等を確認しており、係活動でGoogle Jamboardを活用したり、レク係や音楽係がGoogleフォームを使ってアンケートを行ったりしているという。毎日持ち帰っている端末を自宅でどのように活用しているのかを児童に聞くと「自分の料理の方法をまとめたり、漢字や算数の勉強をしたりしている」という。自主的な活用が始まっているようだ。

学習者用デジタル教科書活用はこれから

同校では、高学年の外国語2単位はそれぞれ、担任を中心にALTと外国語授業支援員とのTTで行っている。ALTは週2日、外国語授業支援員は週3日来校する。

昨年度、6年生を担任していたという加藤教諭は、文科省事業で配信された学習者用デジタル教科書について「新しい英語の歌やチャンツに取り組む際、事前に学習者用デジタル教科書で聞いて練習をしてくるように伝えていた」と話す。

「学年や教科部会で話し合いをしている。これまでの授業の進め方ではうまく活用できず、ALTや外国語授業支援員の役割を変えていく必要があるのではないかと考えているところ。現在、様々な機能を少しずつ児童に紹介し、自らどのように活用していくのかを試している。今後、イヤホンを導入してリスニング等の練習に活用し個人練習の充実を図ることにも挑戦したい」と話した。端末活用についてはドリル活用も進めており、特に6年生では発表資料の作成などに積極的に活用している。学習者用デジタル教科書についてはこれからのようだ。

GIGAミニ研修を実施

教務主任 松瀬穣主幹教諭

教務主任 松瀬穣主幹教諭

柏市の作成している「GIGA Study Plan2021小学校編」に基づき、Stepゼロ「いつでも ちょこっと使う」から始め、昨年度はStep1「すぐにでも どの教科でも 誰でも活かせる」に取り組んだ。本校では高学年ほどJamboard等を使った発表活動などで端末を活用できるようになっている。昨年9月には時限的に短縮日課となり、端末の持ち帰りと双方向授業が始まった。IT教育支援アドバイザーが週2回来校して端末活用やScratchアプリを用いたプログラミングや情報モラル教育等をサポートしている。

年度初めは毎週10分程度のGIGAミニ研修を行い、その後は必要に応じて実施。職員会議も常に双方向で行い、オンライン授業がすぐにできるようにしている。今年度はStep1から始めStep2「教科の学びを深める」取組に着手すると共に、さらに「主体的に学びに向かう態度」を育むことに学習者用デジタル教科書や端末を活かしていきたい。

「R4年度版柏市GIGAスクール」作成

柏市教育委員会は「R4年度版柏市GIGAスクール」を作成・公表。今年度の計画「Step1~Step2に向けて」を示し、一日の流れや研修計画なども掲載した。

それによると今年度はStep1「すぐにでも どの教科でも 誰でも活かせる」、Step2「教科の学びを深める」ことが目標だ。これを支える体制として、ICT支援員の増員や問い合わせ窓口の設置及び情報共有掲示板の運用、研究校4校による実践、学習eポータルの運用、基幹ネットワークの増強などを予定している。

市では2021年度から「1人1台端末を活用した授業改善検討委員会」を設置して「情報活用能力育成の視点での授業計画及び実践」「学習者用デジタル教科書(算数・数学)を活用した授業実践」を行い、事例作成と周知を行っている。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年5月2日号掲載

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