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教育ICT

学習者用デジタル教科書は子供と社会をつなぐ「窓」~デジタル一斉指導から脱却

2022年9月5日

中央教育審議会は第5回「教科書・教材・ソフトウェアの在り方ワーキンググループ」(個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会が設置)を8月25日に開催。中間報告(論点整理)案について検討した。本特別部会では2024年度からの学習者用デジタル教科書導入を円滑に実施し、かつ最大限効果的に活用するための留意点について検討している。

 

本中間報告案では、デジタル教科書・教材等の活用が「デジタル一斉授業」に留まることなく、児童生徒が主体的に学びを選択し、自立した学習者になることが重要であるとしている。昨年度から全国で「学習者用デジタル教科書」実証事業を実施しているが「デジタルを使った一斉指導」が多いことを指摘。ここから脱却することを目指す。なお2022年度調査「主体的・対話的な学び等との関係」クロス集計(速報値)によると、デジタル教科書の使用頻度が高いほど、主体的・対話的な学びに役立つと考える教員の割合が高く、初めて利用する教員よりも利用が2年目以上の教員の方が活用時間が長い。

教科・学年を指定
段階的に導入予定

中間報告案によると、学習者用デジタル教科書は段階的に導入する方向で、かつデジタルと紙の教科書のどちらを使用するのかは児童生徒が選択できるようにする。

まず小学校5年生から中学校3年生までを対象に「英語」を導入。次いで、現場ニーズが比較的高い「算数・数学」の導入が妥当であるとしている。なお導入教科についてはこの日、「外国籍児童が増えている点や特別な配慮の面から『国語』の現場ニーズは深刻。ニーズは数で測れるとは限らない」という意見も出た。「外国籍児童生徒や特別な配慮が必要な児童生徒には教科を問わず希望すれば優先して学習者用デジタル教科書を使えるようにする」「外国籍児童が多い等地域ニーズを優先して学校が選択できるようにする」等の対応は望ましいものの、教科や学年を指定して導入する方が4月当初からのスタート準備が円滑に進みやすい面もあり、今後の動向に注目したいところだ。

なお段階的な導入方針は、自治体判断による他学年やこれ以外の教科の学習者用デジタル教科書導入を妨げるものではない。

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教材・教科書を分離
ビューア統一も視野

現在の実証事業では、学習者用デジタル教科書はデジタル教材と一体的に活用しているが、2024年度からの本格運用では、学習者用デジタル教科書とデジタル教材は別に提供される方向。さらに共同編集や対話等をオンラインで行うことができる学習ツールや各種多様な教材と連携し、学習者用デジタル教科書を「子供と社会をつなぐ窓」としての役割を想定。

ここでいうデジタル教材とは、音声や動画、AI機能付き教材など。

学習者用デジタル教科書そのものにどの程度の機能が付加されるかについて、中間報告案では「現行のデジタル教科書が実装しているルビや反転、読み上げ等のアクセシビリティ(特別支援機能)の機能を継続・充実しつつ、ビューアの標準化(シングル・サインオンへの対応や可能な範囲でのレイアウトや階層等の統一など)を図ることが必要」としている。どこまでビューアが標準化されるのかについては今後の調整が待たれる。

通信環境については「多様な学校の通信環境等を踏まえ、学習者用デジタル教科書データの軽量化に加えて、音声・動画等のデータの分離配信等が必要」としている。なお学習者用デジタル教科書の容量については、教科書協会から近く指針が公表予定。

文部科学省では「はじめての学習者用デジタル教科書」活用動画を公開している。

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教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年9月5日号掲載

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