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教育ICT

【教職員の働き方改革】学校の現金集金業務を大幅に削減 浦安市教育委員会

2023年7月4日
浦安市教育委員会学務課落合幸一郎課長

浦安市教育委員会学務課 落合幸一郎課長

千葉県浦安市教育委員会(小学校17校・中学校9校)では学務課が中心となり教員の働き方改革に取り組んでいる。今年度より同学務課長に就任した落合幸一郎氏は昨年度、浦安市立明海小学校校長として学校徴収金システムを保護者負担により導入。本事例を契機とし今年度は全市展開を進めたい考えだ。数か月という短期間で学校徴収金システムの検討から運用に至った経緯と今後の教育委員会としての取組を聞いた。

多くの時間が必要な集金・入金・出金作業

小中学校での管理職の経験から、学校徴収金に係る業務は児童生徒、そして教員や保護者にとって負担感が年々増している、と感じていました。

浦安市の小中学校では、各学年に1人ずつ会計担当を決めています。

中学校では学校指定の金融機関を使用しており、会計担当は、保護者からの徴収金について入金状況をチェックし、入金が遅れたご家庭のために金融機関から再振り込み用紙をもらい、各家庭に渡します。再振り込み期限にも間に合わなかった場合は、保護者が学校に直接現金を持ち込み、担当が受け取って金融機関に入金しに行く必要もあります。各業者への支払いのため、数十万から数百万円の現金を抱えて金融機関に毎日のように往復することもあります。生徒数の多い学校の場合は修学旅行代金に1000万円単位のやりとりが発生するのです。

近年はインターネットバンキングの利用も増えていますが、担当者が多額の金銭をオンラインでやりとりできる仕組みには、万が一の危険があります。また、小学校では現金徴収が多く、低学年も徴収金集金袋に教材費等を入れて登校し、学級担任が集金し預り金として校長室の金庫に保管しています。子供が袋を紛失する可能性もあり、1円でも不足すると「入れ忘れか」「ランドセルの中にこぼれているのか」等の確認が必要になります。保護者も、キャッシュレスの時代でありながらつり銭なく準備し、通常使用していない金融機関に振り込む必要があります。さらにPTA会費についてはPTA役員が集まりチェックする作業に半日ほどかかっていました。

学校徴収金システムを保護者負担により導入

これらの課題を解決するため、昨年度まで管理職を務めていた明海小学校では、学校徴収金システム「エデュケーショナル 学校モール」を導入し、今年度から同システムを使った教材費の徴収が始まっています。

導入のきっかけは2022年9月、教育委員会からの学校徴収金システムの案内でした。その中の1つに「学校モール」があり、本仕組みにより学校で現金を扱うことの煩雑さやトラブルの危険を解決できるのではないかと考え、校内で検討することとしました。

「学校モール」選択の大きな理由は「保護者が普段から使っているメインバンクを引き落とし口座に選択できる」「初期費用なし・年間の運営費のみで導入できる」点です。近年増えているインターネットバンキングも選択できます。

学校予算による導入は難しかったことから保護者負担による導入の検討についてPTA本部に打診したところ、保護者負担額が適正な範囲であり、児童や保護者にとって「現金を扱う」ことの負担感からの解放にメリットがあると判断され、役員会で賛同を得て年末には保護者に通知。2023年度からスタートすることができました。

PTA会費も今年度中に本仕組みを利用する予定で、スポーツ振興センターの徴収金についても対応を検討中であると聞いています。

勤務時間の管理だけでは働き方改革は実現しない

今年度から教育委員会で学務課長を拝命したことで、全市の教員の働き方改革に積極的に取り組む立場となりました。まずは教頭研修会で学校モールの導入活用状況を明海小学校の教頭に報告してもらう予定です。金銭に係る業務は、関係者すべてにとってプレッシャーが大きく、かつたとえ少額であってもトラブルが起こると解決が難しく、後味の悪いものです。学校で現金を扱う作業をゼロにしたいと考えています。

教員の働き方改革は、早く帰宅しさえすれば達成するものではありません。「なくして良い作業」を明確に示す必要があります。

なくすべき作業は教員や学校により異なる場合もあり、校長判断でなくせることから積極的に取り組んでいくことを後押ししたいと考えています。

明海小学校では教員の働き方改革として、「学校モール」導入のほかに、年2回作成している通知表の所見を後期のみとしました。キャリアパスポートの充実により、子供たちの学習や行事への取組を保護者に伝えていくことで、保護者の方々にもご理解を頂きました。

職員室前面の連絡用黒板についても教頭や教務主任の記載をなくし、ディスプレイ(大型提示装置)による提示としました。教頭が毎日記載している学校日誌をディスプレイに提示することで、これまで行っていた「教頭の転記作業」はゼロになりました。

これらの取組については、校長先生方にも会議・研修会等の場で取組事例として報告をしていく予定です。現在、どの学校もスムーズかつ着実な方法を模索している中、「先行事例」が重要になります。

エデュケーショナル学校モール
集金・支払いを一元管理

■開発のきっかけは教材会社のECモール

「エデュケーショナル 学校モール」を提供している()サンワは絵の具や彫刻刀などの図画工作教材や図画工作に係るアプリ等を提供している教材販売会社だ。

販売管理を簡便化するためのECモールを開発・運用する中で学校の「販売・集金に関する事務処理・督促・会計報告作成作業から解放されたい」「密になりやすい学校販売会をキャッシュレス化したい」というニーズに応えるため、販売店・学校・児童保護者をつなげて注文から決済・督促まで一元化できる会計管理型集金プラットホーム「エデュケーショナル 学校モール」が誕生。2019年から提供を始めている。

■スマホ通知も実装予定

学校での現金集金や紙請求書の事務処理を不要にし、支払い業務を自動化。入金状況もリアルタイムで確認できる。未払いについての保護者への連絡や販売業者への入金・会計報告もPC画面上で完結できる。

教材の購入案内用紙も自動作成して販売や集金のタイミングで管理画面からダウンロード・印刷して保護者に配布できる。

さらに今年度中にスマートフォンへの通知機能や学校行事等写真販売の開発も予定している。

保護者それぞれが使用している入金口座を登録できる。なお「ゆうちょ」に統一することで運用コストを1回あたりの引き落とし45円~にすることも可能だ。

保護者の電話対応窓口も設置している。▼詳細・問合せ=https://info.gakko-mall.com/

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年7月3日号掲載


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