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教育ICT

生成AIの教育利用 つくば市立学園の森、茨城県立竜ケ崎第一高、千代田区立九段中、春日井市立藤山台中が報告

2024年3月5日

「生成AIパイロット校 成果報告会」全体討議ではパイロット校から、つくば市立学園の森義務教育学校、茨城県立竜ケ崎第一高等学校、千代田区立九段中等教育学校、春日井市立藤山台中学校が登壇した。

生成AIは「かわいい」 生成AI で探究型授業開発
茨城県立竜ケ崎第一高等学校・附属中学校

宮内和広教頭は「生徒は生成AIをきっかけに、学びに心を開き、主体的で対話的な学びに向かう傾向が高まった」と報告。同校は生成AIやIoTなどを体験する機会を積極的に設け、「実社会レベル」の情報活用能力育成を目指しており企業連携も積極的に行っている。各種大会にも挑戦し、生徒は成果を上げている。生成AI活用については積極的な教員から自発的に始まり、教員と生徒に広がっている。

具体的には生成AIを使った主体的で対話的な探究型授業の開発に取り組み、国語、数学、理科、英語、公民、情報など6教科で活用。国語では言語活用能力を高めること、公民ではジェンダーをテーマにしたディベート、英語科では英文作成と画像生成、数学では配置問題の考察などをテーマに取り組んだ。生成AIはChatGPT PLUSやCopilot、DAKK-Eなどを利用した。

1月29日に行った公開授業では、カスタムインストラクション機能を用いて「同年齢の知的な子供」の設定で生成AIとディベート。議論が白熱した。

宮内教頭は「生成AIは、『誤りも一部含みつつ、多様な声や意見に裏打ちされた一般的な応答をしてくれるもの』。公開授業を見た方から、生成AIは正解そのものを出すわけではないので生徒の主体性が高まるのではないか、とご指摘頂いた。生徒は生成AIを『苦手なところもあるかわいいやつ』『気遣い不要の安心な空間』『共に学ぶことができる』と表現している。生成AIは自分の知識技能習得の妨げになるものではなく、主体的で個別最適な学びにつながるものである」と話した。

英語のスモールトーク 生徒自らレベルを指定
つくば市立学園の森義務教育学校

左近史稔研究主任は「子供たちの適応力がものすごい。面白がってどんどん使っていき、自分の学びに活かしていた」と報告。同校ではChatGPT3・5を搭載した人型ロボット「Pepper」2台を7・8年生の英語の授業で活用した。

生徒は、授業の導入場面のスモールトークの内容や速さなどを自分で設定したうえでスモールトークを実施。自己調整しながら会話を継続することができ、自信を高めることにつながった。月齢13歳未満の生徒については年齢制限のないアプリを利用することで同等の活動を行った。

8年生ではこれを一歩進め、生徒自身がスモールトークの役割や条件を設定して人型ロボットと英語でやりとり。例えば「英検3級レベルの日本人高校生」「アメリカ人中学生」などだ。

左近教諭は「最初は、〇〇について教えて、という検索エンジン的な使い方だったが試行錯誤しながらプロンプトらしい指示ができるまでになった。

本活動を通して生徒は『英会話は難しいと感じていたが、自分のレベルに合わせてできるので楽しくてわくわくした』と話している」と報告。

他の教員にもチャレンジしやすいように現在、生成AIの活用表をプロジェクトチームで作成している。「Web検索と同様の感覚で生成AIを使いこなすことが当たり前になっていく予感がある」と話した。

校内GPTで安心して活用 生成AIが良き相談相手に
千代田区立九段中等教育学校

須藤祥子主幹教諭は、校務及び高校1年生で生成AIと画像生成AIを活用した事例を報告。「生成AIを使えば使うほど生徒はよく考えるようになり、言語能力も情報活用能力向上も必要なことであると生徒自身で気付くようになる」と話す。

同校は、安心して活用できる場として校内GPT「ARSAGA INSIGHT ENGINpowered by GPT」と画像生成AI「Adobe Firefly」を導入。利用回数制限がなく、入力データを学習されないというものだ。

活用当初、生成AIを使ったことがない生徒は半数弱であった。そこで情報活用能力育成のカリキュラムマネジメントに生成AI活用を盛り込むこととし、テキスト生成AI活用ガイダンスとして2コマで生成AIの仕組みや得意なことを学ぶと共に体験を通してよりよく活用する方法を生徒が検討し生成AI活用3か条を作成。全員でシェアした。

「情報Ⅰ」WebデザインのPBLでは4人組で役割分担しながらWebライティングや画像生成を経験。生成AIと対話して理想の学校を考案。さらにその学校の理念を考えたり紹介記事を作成する際の相談相手として生成AIを利用した。

今年度はトライヤルとして取り組んだが、次年度は情報科だけではなく、全生徒及び全教職員の活用を目標として学校全体で情報活用能力育成に取り組む考えだ。

生成AIを校務活用 多忙な教員ほど効率化
春日井市立藤山台中学校

西崎慎也校長が校務で生成AIを活用した事例を報告。「子供にどう使わせるかというところから始めると負担感が大きくなる。教員が便利さを理解できると安心して活用をスタートできる」と話した。

文部科学省の生成AIに関するガイドライン公表とほぼ同時期に春日井市教育委員会としての生成AI活用ガイドラインが策定され、積極的な校務活用が推奨された。


同校では生徒のアンケートや意見、感想、行事の反省等の集約・分析に活用。さらに調査書等の所見の一次作成や文章校正、授業展開や演習問題、研修計画のアイデア出し、公開授業の申込に自動返信する等のPCプログラム作成サポートなど校務に幅広く活用している。

校務活用を経験した教員は「保護者案内をすぐに作成できた。若手教員も効率的に作業できた」と肯定的で「校務が忙しい教員から広がっている」という。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年3月4日号掲載

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