第9回EDIX大阪が10月13~15日の3日間、開催された。グランキューブ大阪での開催は初。初日のEDIX大阪オープニングセミナー~未来の学校、未来の学びを考える~には教育アドバイザー工藤勇一氏と大阪府の水野達朗教育長が登壇した。

第9回EDIX大阪オープニングセミナーでは教育アドバイザーの工藤勇一氏と大阪府の水野達朗教育長が登壇
大阪府の水野達達朗教育長によると、子供たちが担う未来は少子高齢化や技術革新・グローバル化の進展により将来予測が難しくなっていくという。予測不能な変化に対応するために学校教育は、単に知識を教えるだけでなく、子供たち一人ひとりの可能性を伸ばし自らの人生を切り開いていく力を育てることが求められている。ターゲットイヤーは2040年。今年生まれた子供が高校を受験する年である。そこを出発点に、今後5年の施策を考えている。
2024年度に現職である大阪府教育委員会教育長に着任。就任後3年間で高校授業料無償化、不登校対策、教員確保・働き方改革(採用選考改善・校務DX)、府立高校改革、支援学校整備(約50校)、ICT活用、万博関連教育、英語・国際教育などを進めてきた。
2024年度に「府立高校改革グランドデザイン」を策定し、次年度に「府立高校改革アクションプラン」で具体化。改革の3本柱は「学校改革・入試改革・広報改革」だ。
不登校、日本語指導、特別な配慮が必要な生徒が増え、学校現場の困難感が高まるなか、2026年度に「大阪府学びのアクセスセンター」を開設。小中高の不登校支援の一本化を図った。大東市教育長時代、不登校支援におけるメタバース活用は、広域行政が行ったほうがよいと感じており、それも実現。市町村の子供も対象とした。
さらに公立の通信教育高等学校として、大阪府教育センター附属高等学校窓明分校を設置。不登校経験のある生徒が通信制に進んでもうまく通えない場合の受け皿をつくる全国でも珍しい取組だ。
公立高校校舎の建て替えや内装リニューアルも進めている。2026年度に寝屋川高校の建て替えを決定し、毎年2校程度の建て替えを進める。普通教室等の内装リニューアルも5か年計画で府立高校98校・支援学校30校の計128校を対象に行う。
新たな商業系高校の設置を公表。実業系高校の改革を進めるため、現存の商業高校3校の募集を停止して新たな商業高校を立ち上げる。農業系高校については、デジタル技術を活用した都市型農業高校をつくる。なお文科省・ネクストハイスクールには4校応募。すべて採択された。
また、全府立高校で姉妹校交流事業を開始。生徒一人あたり10万円の補助、教員の交通費・宿泊費補助を行うことにより例年250人であった短期留学者数は、25年度に700人、今年度は1500人に増加した。
入試改革については学校特色枠を導入し、各校が特色を打ち出せる入試とする。さらに中学生が自分に合った学校を選べるよう、広報の仕組みも改革。各校の広報予算を100万円確保。さらに経営・通信費として1校400万円に加え、2026年度から魅力化推進費(1校2000万円・審査あり)を開始。府立高校進学フェアや各校へのコンサル派遣、域内横断型プロモーション支援事業、の確保などを進めている。
大阪府母校応援ふるさと納税制度「大阪教育ゆめ基金」では、特定の学校への寄付が可能となり、昨年度は1億8000万円が集まった。母校を応援したい府民や経営者は多い。二次元コード決済サービスで支払える仕組みも整えた。
民間でも経営者が変わると会社は変わる。学校も管理職が変わると改革が進みにくい面がある。そこで府立高校では期限を弾力化。さらに特色化、魅力化を進めるため「どの学校に行きたいか」を手挙げ式で教員を集める研究を進めているところだ。
目の前にいる子供が自分と関わることで、世界を1ミリでも平和な方向に進めるようにしていきたい。
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教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年10月26日号掲載