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学校図書館

【分科会報告】校長のリーダーシップによる学校図書館経営

2018年9月17日
秋の学校図書館特集:第41回 全国学校図書館研究大会 富山・高岡大会レポート

「第41回 全国学校図書館研究大会 富山・高岡大会」が8月8~10日、富山県民会館とウイング・ウイング高岡で開催された。2年に1回開催される本大会に、司書教諭、学校司書ほか学校図書館関係者、公共図書館司書や学校図書館に関心のある1300人が全国から参加した。大会テーマは「これからの学校図書館をデザインする」。会期中は講演会・シンポジウム・研究討議など、約130の分科会が実施された。その一部を紹介する。
主催=(公社)全国学校図書館協議会、富山県学校図書館協議会
共催=富山県教育委員会、富山市教育委員会、高岡市教育委員会


【分科会報告】
講師 福島県いわき市立菊田小学校 松本光司校長

2校の学校図書館をリニューアル
全国を巻き込んだ居心地の良い場所作り

好間第一小学校。学生ボランティアがダンボールで「洞窟」を製作

好間第一小学校。学生ボランティアがダンボールで「洞窟」を製作

平成23年3月11日の東日本大震災と、それに伴った福島第一原発事故により、いわき市は甚大な被害と影響を受けた。その経験から、松本光司校長はいわき市立好間第一小学校で「子供たちのために居心地の良い場所を作りたい」と考え、学校図書館のリニューアルに取り組んだ。

平成25年8月から、同校の司書教論が本のデータ整備と分類を開始。翌26年4月に松本校長が赴任すると、5月には児童にどんな学校図書館にしたいか、アンケートを実施。「明るい雰囲気にしたい」「洞窟の中で本を読んでみたい」「森の中にいるような図書館」などの意見が寄せられた。一方、校内の様々な場所に置かれていた蔵書は、集中して学習するため配架し直す必要があった。

全校生徒で本の引っ越しを行い、地域のボランティアもラベル張りなどで協力。さらに東京から建築学科の大学生がボランティアで参加し、〝洞窟〟を作るなど、児童の意見を具現化した。9月にはリニューアルが完了。その後、司書教諭と学校司書の連携による読書指導が充実したほか、図書委員会やボランティア活動も活性化した。

全国からも注目された大がかりなリニューアル。「子供たちに“震災に遭った自分たちのために、大人たちが心配し、活動している”ことを示したかった」と語る。

5、6年生が本を移動 貸出冊数も大幅に増加

菊田小学校。まずは5年生が本を移動

菊田小学校。まずは5年生が本を移動

次に取り組んだのは、どの学校でも可能な学校図書館のリニューアルだ。
平成29年4月、松本校長はいわき市立菊田小学校に赴任。当初は学校図書館があまり活用されていなかったが、本の貸出などに積極的に取り組み、今年度(平成30年度)の学校経営ビジョンに学校図書館を盛り込んだ。

「“校長の様々な取組は何らかの効果に結び付く”と教職員が思えるよう、普段から外部講師を呼んだり、地域との連携などを行った」。

京都から元小学校校長の向井純子氏と、青野京子氏を招き、今年4月に学校図書館をリニューアルした。

リニューアル完了後

リニューアル完了後

リニューアル初日は司書教諭の指導のもと、5年生がすべての本を書架から移動させ、分類番号に沿って廊下や家庭科室の床に並べておく。夜のうちに本の引っ越し先がわかるよう、書架に分類の目印をたてておく。そして翌日、6年生が本を配架した。「児童が関わることで、自分たちの学校図書館という意識につなげたかった」。教職員にもそれぞれ得意分野で役割分担し、全員が関われるように工夫した。

6月に実施した「読書月間」では、1か月の貸出冊数が、昨年1年間の冊数を上回った。児童が常に学校図書館を訪れるだけでなく、教員が学校図書館を活用するようになったという。学校図書館の保護者ボランティアも増えている。

「文科省の掲げる“確かな学力や豊かな人間性を育む”ことは、校長と教職員をつなぐ大切なテーマ。その目標に照らし合わせると、学力の基礎は読書習慣で育まれ、学校図書館の環境を整えることが重要」としている。

情報教育の要として学びの環境を整える<第41回 全国学校図書館研究大会 富山・高岡大会レポート>

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年9月17日号掲載

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