全国の児童館の年間平均利用者数が新型コロナウイルス感染症の影響で5年前と比べて半減していることが、(一財)児童健全育成推進財団が実施した「2021全国児童館実態調査」から明らかとなった。
■5年に1度の調査を実施
「2021全国児童館実態調査」は全国の児童館の施設概要や運営状況、活動内容等についての傾向等をつかみ、今後の児童健全育成のための環境の整備や児童館の発展に役立てることを目的としているもので、児童館4397か所および市区町村1741か所を対象に実施。同調査は厚生労働省補助事業として5年に1度実施しているもので、今回で4回目となる。
■年間平均利用者数が2万人から1万人に半減
全国の自治体の児童館設置率は約6割。児童館の年間平均利用者数は新型コロナウイルス感染症の影響で減少しており、前回(2016年)調査の約2万人から半減して、今回の調査では1万人となっている。
■子供が主体的に意見を述べる場を提供する児童館は増加
児童館の利用者は小学生が約6割となる。うち放課後児童クラブの利用者は約半数となる。子供が主体となり、行事を企画運営するなど「子供が意見を述べる場を提供」する児童館の割合は10年間で2割も増加している。
■ガイドラインを周知・活用している児童館は活動が活性化
障害やいじめ、保護者の不適切な養育が疑われるなど配慮を必要とする子供への対応を行う児童館は約7割となる。また、児童館ガイドラインを周知・活用している児童館は活動が活性化している傾向にある。
■子供が安心して過ごすことができる居場所に
今回の調査では、新型コロナウイルス感染症の影響で児童館の利用者数が減少する一方、「子供が意見を述べる場の提供」や「配慮を必要とする子どもの利用」は増加傾向にあり、子供が安心して過ごすことができる居場所となっていることがうかがえる。