政府による骨太方針2025では「高校教育改革等への国の支援の抜本強化」「高校無償化」について2026年度予算で具体化するとしている。国の支援の抜本強化の1つが専門高校を含む公立高校無償化と学校判断による柔軟な教育課程の実現だ。
次の学習指導要領の改訂に向けて討議している文部科学省教育課程部会教育課程企画特別部会(第11回)(貞広斎子主査・千葉大学副学長・教育学部教授)が7月28日に開催され、高等学校の教育課程等の改善等について討議した。
出典:教育課程部会教育課程企画特別部会(第11回)配付資料/【資料1】論点資料(12)高等学校の教育課程等の改善
15歳人口減により高等学校数減が予測される中、柔軟な教育課程により多様な特色をもつ高校が生まれている。
普通科を「未来創造学科」に改め、地域の資源を活用した学校設定科目を含む宇宙探究コース、文理探究コース、地域探究コースを入学時に選択して学ぶ和歌山県立串本古座高等学校(全日制普通科)や普通科を「社会共創科」に改め、2年次より地域探究コース、人文探究コース、科学探究コースを選択して学ぶ愛媛県立三崎高等学校(全日制普通科)など、普通科改革が進行中だ。
今後は学校判断で、より柔軟な教育課程を実現できるようにするため、本部会では次のような議論が進んでいる。
出典:教育課程部会教育課程企画特別部会(第11回)配付資料/【資料1】論点資料(12)高等学校の教育課程等の改善
産業界等と連携した取組は現在も進められているが、単発的な連携となっている面を改善。
探究的・実践的な学びの積み重ねができるような持続可能な専門教科指導を実現し、産業構造や市場環境の急激な変化、労働市場の流動性の高まりに対応できるようにする。
委員は「高等学校の教育課程を柔軟にするためには余白の創出が重要。そのためにも教育DXが欠かせない」と指摘した。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年8月11日号