在住外国人が80カ国2万人を超える愛知県豊橋市では今年度より、外国人市民が安心して暮らるよう、市役所窓口の多言語対応を強化した。
各課の窓口職員が自ら外国人市民の対応ができるよう、関連部署と連携し、「多言語指差しコミュニケーションボード」を作成。併せて同市で暮らす上で知って欲しいマナーやルールについてまとめたオリジナルの「外国人市民のための生活マナーマニュアル」も作成し、外国人転入者に対して、市役所市民課での配布とホームページでの掲載を開始している。
ボードとマニュアルは、ポルトガル語、タガログ語、英語、ベトナム語、インドネシア語に対応し、全てのボードに日本語または「やさしい日本語」を併記した。本ボードの導入により、簡単なことであれば、ボードで意思疎通できるようになったため、通訳者を呼ぶことが少なくなり、手続きの時間が短縮されたという。
日本での生活ルールが分かる「マナーマニュアル」も作成
「やさしい日本語」は、誰にでも分かりやすいように情報を取捨選択し、言葉や表現を簡単にした日本語のこと。1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに、外国人に素早く的確に災害時の情報を伝えることを目的に考案された。平時における外国人への有効な情報提供手段としても、行政情報や生活情報、日々のニュースの発信など様々な分野で活用されている。
「やさしい」には、簡単で「易しい」と相手を思いやる「優しい」の2つの意味が込められており、外国人はもちろん、子供、高齢者、障害者にも分かりやすいコミュニケーション手段の一つと言われている。