一社・生成AI活用普及協会(GUGA)は、4月15日〜17日に開催された「第9回 AI・人工知能EXPO【春】」において実施した「生成AIリテラシー診断 2025春」の結果を公開。生成AI活用への関心やリスクへの危機感を持つ人が着実に増えている一方で、生成AIリテラシーの向上やリスクに対する理解が十分に浸透していない可能性が明らかになった。
「生成AIリテラシー診断」は、生成AIリスクを予防する資格試験「生成AIパスポート」の過去試験の受験者との比較を通じて、自身の生成AIリテラシーレベルを可視化できる診断企画。タブレット端末を用いて10分間で20問のテストを出題して診断する。
本診断では、参加者に「生成AIリテラシー偏差値」と「リスク理解度」を示す診断書および「生成AIパスポート公式テキスト」を配布し、自身の生成AIリテラシーレベルの現状を把握したうえで、生成AIをより安全かつ効果的に活用するための第一歩を踏み出してもらうことを目指している。
2024年11月に実施した診断では、生成AIリテラシーの重要性が認識されていない現状や、自身の生成AI活用レベルを正確に把握できていない課題が明らかになっている。
今回の診断結果では、生成AIリテラシー偏差値が49以下の割合が全体の約85%を占めており、生成AIパスポートの過去試験の受験者と比べると、多くの参加者が生成AIリテラシーを十分に習得できていないことが明らかになった。また、リスク理解度に関しても、評価が「C・D」に分類された割合が全体の42%を占め、生成AI活用に伴うリスクに対する理解が不十分であることが示された。
前回の実施結果とほぼ同様の傾向が続いており、生成AI活用への関心やリスクへの危機感を持つ層が増える一方で、依然として生成AIリテラシーの向上やリスクに対する理解が十分に浸透していない可能性が明らかになった。
本診断の参加者のうち、生成AIパスポートの有資格者と無資格者の診断結果を比較したところ、有資格者は偏差値50以上の割合が50%、リスク理解度「A・B」評価が78%であったのに対し、無資格者は偏差値50以上の割合が14%、リスク理解度「A・B」評価が58%にとどまった。これらの結果から、有資格者は生成AIパスポートの取得に向けた学習を通じて一般の方よりも高い生成AIリテラシーを習得し、受験後も定着している傾向がうかがえる。
今回の診断には、前回2024年11月開催時(約1,500人)に比べ約1.5倍の2,221人が参加した。参加者からは、「普段から生成AIを使っているが、自分が何を理解できていて何を理解できていないかが可視化されることで、思わぬ気づきや学習意欲の向上につながった」などの感想が寄せられたという。