神山まるごと高専(徳島県)でこのほど、「ルーブリックを活用した学習評価」と「生成AIを活用したフィードバック設計」に焦点を当てたスタッフ向け研修が行われた。講師を務めたのは、エデュテクノロジーのアセスメントデザイナー高木俊輔氏。本研修は、テクノロジー、デザイン、起業家精神を教育の根幹に据え、「モノをつくる力で、コトを起こす人」の育成を目指す神山まるごと高専が、開校3年目を迎え、教育の質を一層向上させるための重要な取り組みとして実施されたもの。
研修の様子
研修では、講義に加え、参加者が自らの教育活動を振り返り、具体的な手法を習得するための個人ワークやグループディスカッションが行われた。特に焦点を当てたのは、「評価は学習者の学びを深く支援するもの」という教育評価の本質的な意義の再認識。画一的な評価ではなく、学習者一人ひとりの成長を最大限に引き出すにはどうすればよいのか、教育評価の理論に基づいたルーブリックの設計から活用、そして最新の生成AI技術の導入による学習の個別最適化やフィードバックの高度化について、具体的な事例を交えながら議論が展開された。
評価を「学習を支援するための手段」として活用するために必要な考え方を習得。教育評価の知見を参考にしながら、現場での事例に基づいたワークショップを交え、スタッフ自らの評価観についての振り返りを促進。
科目特性に応じた多様なルーブリック(汎用、全体的、分析的、一点ルーブリックなど)の設計と、学習者への明確な評価基準の提示による主体的な学びの促進。学習者視点でルーブリックによる評価を体験するワークや、様々な教科や行事での活用例など、効果的な活用に向けた事例も紹介。
英語のライティング添削を題材に、AIと人間による評価を組み合わせ、効率的かつ効果的なフィードバックを行うワークフローを提示。これにより、添削時間の短縮と学習者一人ひとりへの質の高いフィードバックの両立を実現する事例の紹介。
数学のレベル別問題作成、美術の技法解説、体育の技能練習メニュー作成、プログラミング学習における段階的支援など、生成AIを活用した教材開発や学習支援の可能性を具体的に提示し、アイデア出し。
エデュテクノロジーでは、本研修講師を務めた高木俊輔氏によるオンライン講座「評価を使って学びを支援!ゼロから学ぶ評価理論と実践」をオンデマンドで提供している。本講座では、▽教育評価の基礎理論と、学習者の成長を支援するための評価の考え方▽多様なルーブリックの設計方法と効果的な活用事例▽教育現場における生成AIの活用方法と具体的な実践例▽効果的なフィードバックを行うためのステップと環境づくり――について学ぶことができる。全7回の講座で、現在は第4回まで提供中。
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