宮崎県教育委員会は、今年度推進しているAI教材活用事業において、小中学校向けICT学習ソフト「ミライシード」に搭載したCBT方式の単元テスト「テストパーク」を導入した。8月7日、提供元のベネッセコーポレーションが発表した。
宮崎県教育委員会では、県の教育振興基本計画第2期スタートとなる今年度、教員主導の「教える授業」から子供が主体となる「学びたい授業」への変革のため、日常の授業にCBT単元テストを導入・活用する取り組み「AI教材活用事業」を推進している。
今回、この取り組みにベネッセのAIを活用したCBT方式単元テスト「テストパーク」を導入し、県内すべての小5・中2で活用することにした。
テストパークは、教科書の主要単元の確認テストを収録し、ミライシード上で小テストを実施可能とするCBTシステム。本ツールを活用することで、教員はアプリ上で作成したテスト問題を児童生徒の端末に一斉配信でき、授業内で取り組んだ結果を自動採点で即時返却することが可能になる。これにより、指導にかかる教員の負荷を軽減しつつ、児童生徒が主体的に振り返りや解き直しを行って学習内容を定着させていく、新たな授業サイクルの展開が期待できる。
「宮崎県教育委員会では、小学5年生および中学2年生を対象に、令和7年度より8年度までの2年間をかけて、CBT単元テスト・デジタルドリルを導入、実証研究に取り組みます。本取組は、子供たちの「学びに向かう力」の育成と、教員による「授業改善」の推進を目的としています。
現在、子供たちは「何をどう勉強すればよいか分からない」と悩み、先生方はテスト作成や採点に時間を取られ、結果を指導に十分活用できていないという課題をもたれている現状があります。CBT 単元テスト・デジタルドリルは、こうした子供と教員双方の課題解決を支援する新たな学習環境として導入しました。
CBT単元テスト・デジタルドリルでは、子供たちがテスト結果をもとに振り返りや解き直しを行うことで、学習内容の確実な定着が図られるものと考え、例えば、「間違えた問題を解き直す」「できた問題からさらに発展問題に挑戦する」など、主体的な学習のサイクルが生まれ、学びに向かう力が育まれることが期待されます。
また、教員にとっては、自動採点機能により採点業務の負担が軽減され、確保された時間をデータ分析や個別指導、教材研究などに充てることが可能となります。例えば、「ここの定着がもう少しだから、授業をこう変えてみよう」といった具体的な授業改善のサイクルが実現できるものと考えています。
このように、本取組は、子供の学びのサイクルと教員の授業改善のサイクルの2つの相乗効果により、子供たちの「学びに向かう力」の向上と教員による「子供の学びの姿を変える授業づくり」を目指します」。