宮城県はこのほど、算数・数学の授業力向上を目指した授業改革への取り組み「みやぎの算数教育改革プラン」において、小中学校向けオールインワンICT学習ソフト「ミライシード」(提供:ベネッセコーポレーション)を導入。ミライシードに搭載されたアプリの中から、AIを搭載したデジタルドリル「ドリルパーク」とCBT方式の単元テスト「テストパーク」を、モデルエリアの塩竈市・登米市の全小中学校に導入し、アプリ活用をスタートする。
今回の「ドリルパーク」と「テストパーク」の活用イメージ
「みやぎの算数教育改革プラン」は、県内小中学校の算数・数学の授業力向上を目指した、全県的な授業改革への取り組みで、2024年「第二期宮城県教育振興基本計画」の改訂を受けて今年度よりスタート。
今回、GIGAスクール構想で整備された1人1台端末の環境下で、算数・数学の授業を子供が主体的に学ぶ学習サイクルへと変革する狙いで2つのアプリを活用する。
まず、授業中に自動採点と即時返却が可能なCBT方式の単元テスト「テストパーク」を活用してクラス内でつまずきが多かった点を振り返った後に、放課後や家庭学習等の学習では児童生徒それぞれの学力状況を把握し個別最適な出題をするAIドリル「ドリルパーク」を活用しての個別学習を進める。
2つのアプリを連携して活用する学習サイクルを通して、教員は、指導に関わる負荷を軽減しながら、これまで詳細な分析をしないと把握が難しかった子どもたちの伸びやつまずきを即時に捉え、クラス全体・個人ごとに最適な指導につなげる。
宮城県教育委員会は、今年度から「みやぎの算数教育改善プラン」に取り組んでいます。本プランは、本県の算数・数学教育が抱える喫緊の課題に対し、抜本的な解決策を講じるべく検討をしてまいりました。これまで経験に頼りがちであった授業改善に対し、データに基づいた指導の質の向上を目指します。
子供たちの学習状況をリアルタイムで把握し、個々の理解度に応じたきめ細かな指導を可能にするためのAIドリルの導入は、画一的な指導からの脱却を図り、一人一人の可能性を最大限に引き出す個別最適な学びを実現につながるものと捉えています。また、担当指導主事による伴走型支援を通して、協働的な学びとの一体的な充実を目指す授業改善を図ることで、先生方の指導力向上につなげます。
本取組では、教員の指導負担軽減を通して、より子供たちと向き合う時間を創出することも目指しています。AIドリルを積極的に活用することで、教員が本来注力すべき創造的な授業設計や、子供たちとの対話に時間を割けるよう支援してまいります。本県の子供たちが、算数・数学を楽しみ、自信をもって学習に臨むことができるよう、そして、論理的思考力を育むことができるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。