文部科学省の「部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進等に関する調査研究協力者会議」が部活動改革に関する新たなガイドラインについて検討し、「認定地域クラブ活動」には①希望者の選抜や広域から生徒を集めるなど結果重視の運営を認めず低廉な参加費とする、②ガイドラインに沿った適切な活動時間や休養日が設定されている、などを認定要件とすることを確認した。新たなガイドラインは今年中の策定・公表を目指すという。
「部活動の地域展開・地域クラブ活動の推進等に関する調査研究協力者会議」(座長=友添秀則・環太平洋大学体育学部教授)は10月27日8回目の会合を開催。認定地域クラブ活動は、中学校等の部活動を継承・発展させた生徒のスポーツ・文化芸術活動として各自治体が認定した活動であり、新たなガイドラインによる認定要件のイメージは次の通り。
①学校部活動の教育的意義を継承・発展させた活動で、生徒が希望する活動に主体的に参加でき、機会を保障するもの=競技性や成果のみに偏重するのではなく、生徒が継続的にスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保することを目指した活動▽市町村等が定める対象区域内に居住する生徒を主な対象とし、競技強化等の観点から広域から生徒を集めることは認められない▽選抜等を行わず、参加を希望する生徒を広く受け入れる。
②ガイドラインに沿った適切な活動時間や休養日が設定されていること=週当たり2日以上の休養日、1日の活動時間は平日2時間、休日は3時間程度とし、週当たりの活動時間は11時間程度の範囲内とし、短時間で合理的かつ効率的・効果的な活動とする▽年間の活動計画・活動日、休養日及び参加予定大会の日程等や毎月の活動計画・活動日時・場所、休養日及び大会参加日等を策定し公表すること。
③活動の維持・運営に必要な範囲で、可能な限り低廉な参加費等が設定されていること。
④適切な指導の実施体制が確保されていること=指導や指導補助、見守り等を行う人材(以下「指導人材」)が暴言・暴力、ハラスメント、いじめ、無視等の行為は、許されない行為であることを理解し、参加生徒同士のこうした行為も許さないことを誓約すること▽市町村等が定める研修を受講し、市町村等に登録された指導人材が活動に携わること▽安定的であると共に事故や暴力・暴言等の不適切行為を防止するため、複数の指導人材が活動に携わる。
⑤適切な安全確保の体制が確保されている。
⑥適切な運営体制が確保されている。
⑦学校等との連携が適切に行われていること=地域クラブ活動の活動方針や指導方針、スケジュール等を生徒の在籍する中学校等と共有すること▽生徒の活動状況や実績等を、中学校等と必要な情報共有すること▽市町村等が学校と連携して生徒・保護者等に対する情報提供等を円滑に行うことができるよう協力すること▽活動場所として学校施設を活用する場合や希望する教職員等による兼職兼業が行われる場合等には、その円滑な実施のため、市町村等や学校との必要な連絡調整を行うこと。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2025年12月8日号掲載