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子供たちの心と体の不調を早期発見し医療につなぐ~1人1台端末を活用~学校健診システム「けんしんくん」開発

2026年2月17日

不登校のきっかけ・要因は、子供や保護者の8割近くが「体のつらさ」「不安」「起きられない・眠れない」などの不調だったと回答。一方でそうした児童生徒の症状を理解している教員は2割に満たないのが現状。1人1台端末を活用した学校健診システムを開発した国立病院機構南和歌山医療センター小児アレルギー科医長の土生川千珠氏は、「学校健診は子供の健康を守るゲートキーパー。学校と医療をつなぐ早期医療介入で子供の将来を守りたい」と言う。12月13・14日京都女子大学で開催された(一社)日本養護教諭教育学会第33回学術集会のランチョンセミナーで、同システムの紹介と開発の背景などを語った。

セミナーの演題は「保健室へのサポート 医療と教育をつなぐ こころの学校健診~寝る子はこころも育つ~」。児童生徒の1人1台端末を活用した学校健診システム「こころの学校けんしんくん」について紹介した。

不登校のきっかけを理解する教員は2割

南和歌山医療センター 小児アレルギー科医長 土生川千珠氏

不登校児童生徒数は増え続けており、2024年度は小学校13万7704人、中学校21万6266人、23年度の小中高校生自殺者数は500人以上にのぼった。

不登校のきっかけ・要因は「体のつらさ」「不安」「起きられない・眠れない」と回答した子供や保護者が74%~78%に達している(文部科学省2022年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査)。一方、そうした児童生徒の症状を理解している教員は8~19%。こころや身体の悩みから医療機関を受診している児童生徒の中で、約85%は医療につながっていない現状にある。

困りごとをもつ子供は自分の心身の状況を周りの大人に伝えられないなど心の言語化が未熟なため、学校に行くことに不安を覚えると「朝、起きられない」「頭痛や腹痛がする」など身体症状となって現れる。さらに、学校に行くことができない自分を責めるため、それが不登校につながるなど悪循環に陥っていく。

そんな状況を改善するため学校と医療が連携し、不登校を予防する取組の一つとして同システムは開発された。2018年から文部科学省の科研費の助成を受けて開発。22年から27年まではAMED(日本医療研究開発機構)からの助成で研究が進められている。和歌山県や大阪府、滋賀県、岡山県、山口県などの教育委員会と連携し、約3万人の児童生徒が利用している。

同システムは、保護者の同意を得た小学校4年から中学校3年の児童生徒が1人1台端末から「ケンシンクン.net」にアクセスし、「生活リズムとからだ」「学校での困りごと」「げんき度」などの3方面からの質問に加え、勉強や家族・家庭の悩みなど25項目の質問に回答。集計結果から、医療介入が必要なハイリスク群と健常に判別される。

端末からアクセスして教員の負担軽減に

これにより子供が困っている要因を明らかにして、スクールカウンセラーや病院など最適な支援・介入先を紹介することで早期改善につなげられ、教員の負担軽減にもつながる。

ハイリスクと判断された子供の保護者には、受診する医療機関などを明記。より精査が必要な子供は地域の2次病院の小児科を受診。必要な場合は子供のこころ専門医や心の診療専門医が対応。虐待やヤングケアラーの問題がある場合は直接、児童相談所やソーシャルワーカーにつなぐなどのステップ診療体制を構築している。

就学前健診以降、不登校や自殺などが増加する思春期の頃まで、メンタルヘルスに関する健診は、現状は学校では行われていない。同システムを通じて、子供の心の声を拾いあげることが求められる。導入した地域・学校では、医療につながることで登校が維持できたり、朝食を毎日食べる子供が増加、就寝時刻も早くなったなどの成果が表れているという。システム導入などの問い合わせは下記のアドレスで随時受付けている。

▼「こころの学校けんしんくん」の問合せ=habukawa.chizu.qk@mail.hosp.go.jp

教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年2月16日号掲載

 

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