文部科学省は策定から17年ぶりとなる「学校給食衛生管理基準」(以下、基準)の見直しに向けた有識者会議を設置し、第1回会合を3月25日に開催した。
働き方改革の推進による物流の輸送力不足など給食運営を取り巻く社会環境が大きく変容した現状と、この間に確認された新たな食品衛生管理に関する科学的知見を踏まえて検討。期間は2028年3月31日まで。
予定される見直しの項目は、①数回改正されている「大量調理施設衛生管理マニュアル」と基準との記述・内容の整理・統合、②食品添加物の規定等について最新の科学的根拠等に基づいた見直し、③配送等の働き方改革と食品衛生の確保との両立、食品ロス、地産地消等の近年のニーズや環境変化をどのように踏まえるか。
同基準は学校給食の適切な衛生管理を図る上で必要な事項について維持されることが望ましい基準として、学校給食法に基づき策定。厚生労働省により1997年に策定された「大量調理施設衛生管理マニュアル」や食品衛生法等を参照にされたが、すでに同マニュアル等は数度の改正を経て、現基準との差異や規定がないこと等が見直しの背景にある。
●「大量調理施設衛生管理マニュアル」の累次の改正の反映=「大量調理施設衛生管理マニュアル」は、学校給食における衛生管理をより万全なものとするため、以下の観点から見直しを行うことについて検討▽現行基準に記載のないマニュアル新設事項の反映▽同一事項において記載が異なる部分の整理・統合▽現行基準において趣旨が不明瞭な部分の明確化
●食品衛生管理を取り巻く状況の変化を踏まえた改正=現基準の策定以降、食品衛生管理に関する科学的知見が蓄積されるとともに、以下の規定については、食品安全委員会等からも改善を求める指摘がなされていることを踏まえ、当該規定について最新の科学的根拠等に基づき改正することについて▽食品添加物に関する規定▽二枚貝の加熱処理に関する規定(2015年通知により適切な取扱内容を教育委員会等へ周知済み)
●社会環境の変化や、これまでの運用において明らかとなった課題を踏まえた改正=「学校における働き方改革」や、物流効率化法の施行に伴う運送事業者の労働環境改善への対応、さらには職場環境改善に係る事業者義務の追加といった社会環境の変化に対応し、衛生管理の質を担保しつつ現場の負担軽減を図るとともに、関係事業者との協力による持続可能な供給体制の構築が求められている。
現基準の策定以降、地産地消の推進や伝統的な食文化の継承等の重要性や、食品ロス削減への配慮等の重要性が一層高まってきており、学校給食の献立等に対しても多様なニーズがあることを踏まえ、効果的な衛生管理の在り方へ見直すことについて▽食品の配送・検収の在り方▽熱中症対策等、職場環境の在り方▽地産地消の推進や伝統的な食文化の継承等に資する食品活用の在り方▽食品ロス削減等
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年4月27日号掲載