賢明学院小学校(大阪府)の榎本裕司教頭補佐が執筆した研究論文2本が、2026年3月にスペインで開催される欧州最大級の国際教育会議「INTED2026」に採択された。
INTED(International Technology, Education and Development Conference)は、毎年世界80カ国以上から教育関係者が集う国際会議。本会議での採択は、その教育実践がグローバルスタンダードに照らしても革新的であることを示している。
今回採択されたのは、同校における「GIGA端末(Windows)を活用したデータサイエンス教育」の実践研究。多くの現場が抱える「端末をどう授業で使いこなすか」という課題に対し、一つの有効なモデル(小3からの統計教育)を示した。
日本の小学校教員が単独で国際学会において複数の研究発表を行うことはとてもめずらしく、文部科学省が推進するGIGAスクール構想やSTEAM教育×探究学習を、現場レベルで高度に具現化した事例として採択された。

Excelでヒストグラムを作成する6年生児童
小学3年生からExcelを活用し、6年生でSDGsデータを分析する一貫カリキュラム。日本の子供たちの「読解力・分析力」向上に寄与する具体的メソッド。算数が将来役に立つと答えた生徒が全国平均73.0%に対し、本実践クラスは83.6%と高い。
知識を学ぶだけでなく、学んだ科学技術を使って具体的な社会貢献策を提案・実行する「行動する子ども」の育成。授業後、「社会を変える具体的なプランを持てた」児童が36%から83%へ急増するなど、ICT活用が児童の行動変容(主体性)に直結することを実証した。

賢明学院小学校教頭補佐でマイクロソフト認定教育イノベーター(MIEE)でもある、発表者の榎本裕司氏
OECDの調査(PISA)等において、日本の子供たちは世界トップレベルの知識・技能を持つ一方で、「自分の行動で国や社会を変えられる」と考える若者の割合は他国に比べて著しく低いという「自己効力感の低さ」が指摘されている。また、学んだ知識を実社会の課題解決に応用する経験が不足しており、「知識」と「行動」の間に深い溝(ギャップ)があることが日本の教育の課題とされてきた。
榎本教頭補佐の研究は、この日本の構造的な教育課題に対し、「小3からのデータ活用」と「STEAM探究×探究学習」という2つのアプローチで真正面から挑み、「学んだ知識を使えば、社会は変えられる」という実感(Action)を子供たちに取り戻させた点が高く評価された。