国立高等専門学校機構は1月20日、深刻化する半導体人材不足という社会課題に対し、全国51校の国立高専ネットワークを活用した「半導体人財育成エコシステム構想」を本格始動すると発表した。

本構想は、高専機構が推進してきた半導体人財育成において、九州及び北海道にて教育パッケージの開発に取り組むとともに、教育実践のための環境整備を進め、全国展開の体制が整いつつあることを契機に、本格的な実施段階へ移行するもの。
高専は、15歳から20歳(専攻科22歳)までの5年間(専攻科を含めると7年間)で、理論と実践を高度に融合させた教育を提供する教育機関。この独自の教育システムと全国に配置された地域密着型の国立高専ならではのネットワークを最大限に活かし、半導体産業が求める「即戦力×応用力×イノベーション力」を兼ね備えた中核人財を“継続的に”輩出する仕組みの構築を目指す。
高専機構は、今後の半導体トップおよび中核人財育成を次の4つの軸で推進する。
産学・学学によるクロスアポイントメント、ダイバーシティ、リスキリング、国際連携等による関係者の継続的成長
産学連携によるトップ人財・中核人財育成プログラムと、すそ野拡大の継続的なアップデート
国が支援する半導体研究の中核組織である技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)・産業界・拠点大学・自治体等との連携による全国展開のハブ機能
企業(大企業・スタートアップ等)や大学研究室との接続

半導体産業が集積する九州では、全9校(有明高専、熊本高専、佐世保高専、北九州高専、大分高専、久留米高専、都城高専、鹿児島高専、沖縄高専)が連携。産業界、地域大学、自治体との協働により、▽企業講師による専門性の高い授業とキャリア教育▽授業動画、教材の高専間の共有による教育内容の標準化▽半導体関連設備の充実化による実践教育の強化――を実現し、「設計から製造まで」幅広い分野で活躍できる人財を育成している。

Rapidus株式会社の最先端半導体工場設立を契機に、旭川高専、釧路高専、苫小牧高専、函館高専が「北海道地区4高専半導体人材育成連携推進室」を設立。北海道半導体人材育成等推進協議会と連携し、▽低学年から最先端半導体技術に触れる多様な授業展開▽小中学生向けイベントを通じた科学技術の魅力発信▽自治体・企業と協働した地域全体の人財育成――を進めており、半導体産業のまだ少ない地域でも、全国トップレベルの教育環境の構築を目指している。
