科学技術振興機構(JTS) 理数学習推進部は、「第15回科学の甲子園全国大会」(3月20日開催)の出場生徒と同年代の高校生(以下、一般高校生)を対象に、AIの活用、普段の学習、将来の夢、科学への関心に関する調査を実施。その結果を公表した。
本調査では、科学の甲子園出場生徒たちの学習状況やAIの活用、そしてどのような未来を描いているのかが明らかになった。
普段の学習にどのくらいAIを活用しているかを尋ねたところ、科学の甲子園出場生徒、一般高校生ともに、「積極的に活用している」「必要に応じて活用している」の合計は79%で、学習以外の普段の生活におけるAIの活用については、科学の甲子園出場生徒65%、一般高校生72%(いずれも「積極的に活用している」「必要に応じて活用している」の合計)だった。科学の甲子園出場生徒は、学習での活用割合が日常生活での活用割合よりも14ポイント高く、学習場面でより積極的にAIを活用する傾向にある。


科学の甲子園出場生徒に、具体的にどのような場面・用途でAIを活用しているかを自由回答で尋ねると、「学習支援(解説・別解・理解補助)(49%)」「英語関連(添削・翻訳・作文)(21%)」「調べ物・検索代替(14%)」などが多くを占めた。

学習支援としての具体的なAI活用例としては、「解答集の解説がわかりにくいときに、より丁寧な説明を求める」「自分の考え方のどこが誤っているかを指摘してもらう」「別解や、より簡潔な解法を確認する」「解説のない問題の解説を作ってもらう」といった声が挙がった。
また、英語関連では「英作文の添削」「英語記事(科学記事など)の和訳」「より自然な訳例の確認」、調べ物・検索代替では「疑問を調べる」「類義語・対義語を探す」「検索では条件整理が難しい内容をまとめてもらう」などが多く、このほかにも「資料の要約・文章の推敲」「記述問題の採点・添削」など、学習の効率化・高度化を目的として多面的に活用していることがわかった。
平日の平均学習時間は、科学の甲子園出場生徒は「2時間~3時間未満(28%)」が最多だったのに対し、一般高校生は「0~30分未満(31%)」が最も多い。また、休日も科学の甲子園出場生徒は85%が2時間以上学習していると回答し、中には10時間以上学習に取り組む生徒も見られたが、一般高校生は2時間未満が65%を占めるなど、普段の学習時間に差がある。


科学の甲子園出場生徒に普段取り入れている学習方法について尋ねたところ、半数以上が「間違えた問題を重点的に原因分析・再学習する(58%)」と回答した。先述の「AIを活用する」だけでなく、「過去問や模擬問題を繰り返し解く」「YouTubeなどの動画教材を活用する」「要点をまとめる」「友人との勉強会」なども多く、従来の基本的な方法から現代ならではのデジタルを活用する手法まで、自身の学習スタイルにあわせて、様々な方法を柔軟に組み合わせている様子がうかがえた。

科学の甲子園出場生徒に将来就きたい職業について自由回答で尋ねたところ、「研究職(大学・国立研究機関・企業研究)(31%)」が最も多く、「医療系(医師・歯科医師・薬剤師・獣医師など)(19%)」「エンジニア・IT系(10%)」が続くなど、理数分野の高度な専門性を要する職業を志望する傾向が見られた。一方、一般高校生は「未定・決まっていない(52%)」が最も多く、次いで「医療系」「エンジニア・IT系」「教育職(教員・講師)」「ゲーム・エンタメ系」「公務員・官僚・国際機関」が並んだ。

科学の甲子園出場生徒に学習に役立ったと感じる経験や活動、趣味について自由回答で尋ねたところ、1位「ゲーム系(17.2%)」、2位「音楽・楽器系(15.3%)」となった。「プログラミング・IT系(9.7%)」や「パズル・論理遊び系(9.1%)」といった、学習に直結しやすい活動を上回り、ゲーム系が最も高い割合となった。
「ゲーム系」と回答した53人のうち、具体的なゲーム名として「マインクラフト」を挙げた生徒が21人と最も多く、ほかには「ポケットモンスター」「桃太郎電鉄」「フォートナイト」など、知識や発想力を使うゲームが多く選ばれた。2位の「音楽・楽器系」では、「ピアノ」と回答した生徒が47人中29人と最多。

科学の甲子園出場生徒に今気になっているニュースを尋ねたところ、1位「AI・生成AI(56%)」、2位「宇宙(47%)」で、「エネルギー」「量子技術」「医療・創薬・ヘルスケア」が続いた。
AI分野で特に関心が高かったのは、「生成AIの数学力がどこまで伸びるのか」「AIが共通テストで高得点(ほぼ満点)を取った」といった性能向上についてで、「生成AIによるフェイクニュース」「生成AIと選挙をめぐるフェイク動画」「画像・動画のフェイク対策」など社会的影響やリスクへの問題意識も挙がった。また、宇宙分野では「H3ロケット」「アルテミス計画」「民間宇宙開発」「ブラックホール」などが挙がった。

<調査概要>
◎科学の甲子園出場生徒
調査手法:オンラインアンケート
実施時期:2026年1月30日~2月10日
調査対象者:「第15回科学の甲子園全国大会」に出場する生徒
回答数 308件
◎一般高校生
調査手法:スマートフォンリサーチ
実施時期:2026年2月3日~2月4日
調査対象者:全国16~17歳
回答数 421件