文部科学省は7月30日、全国の公立学校施設における空調(冷房)設備の設置状況(5月1日現在)を取りまとめた調査結果を公表した。
公立小中学校の普通教室における冷房設置率は99.6%に達し、前回の2024年9月調査(99.1%)から0.5ポイント増加した。夏の記録的な猛暑が常態化するなか、子供たちの学習環境の安全・安心を確保するための整備がほぼ全国的に完了しつつある。

文科省資料より
公立小中学校の教室種別で見ると、普通教室の設置率は小学校で99.6%、中学校で99.4%と、ほぼ全室に普及している。一方で、理科室や音楽室などの特別教室における設置率は72.6%(前回比5.7ポイント増)にとどまり、普通教室との間に開きが見られる。
その他の学校種や施設については、公立高等学校の普通教室が99.7%、特別支援学校の普通教室が100.0%に達している。幼稚園の保育室も98.6%と高い割合を維持しているが、特別教室や幼保施設等においては自治体ごとの優先度や財政状況による整備スピードの差異が依然として課題となっている。

文科省資料より
学校生活を支える給食調理場における調理室等の冷房設置率についても整備が進んでいる。単独調理場では91.0%(前回比7.4ポイント増)、共同調理場では93.5%(前回比2.1ポイント増)となり、いずれも9割を超えた。酷暑下での調理作業に伴う熱中症リスクの低減や衛生管理の強化に向け、自治体による現場の労働環境改善が進んでいる状況がうかがえる。

文科省資料より
併せて公表された公立学校の体育館等における空調設備設置状況調査によると、小中学校の体育館等の冷房設置率は全国平均で約3割程度(31.7%)にとどまっている。

文科省資料より
体育館は熱中症対策が必要な体育授業や全校集会の場であると同時に、地域の大規模災害時における一次避難所としての重要な役割を担う。災害時の調達協定などによる緊急的な機器確保体制を含めた実質的な確保率は約40%まで上昇するものの、据え付け型の固定空調の普及率は依然として低い。また、公立高校の体育館における設置率(24.7%)も低水準であり、避難所機能の強化や防暑対策に向けた抜本的な予算確保と整備加速が急務とされている。
文部科学省は、児童生徒や教員の安全・安心を確保するため、今後も各地方公共団体が計画的に空調整備を進められるよう必要な経費の確保に努める方針である。特に整備が遅れている特別教室や体育館の断熱化・空調化に向け、技術的支援を含めた包括的な体制を強化していく。