科学技術振興機構(JST)は9月30日、先端技術分野における「産業・科学革新人材事業(INSIGHT)」の2026年度新規採択プロジェクトを決定したと発表。第1回となる今回の公募には58件の応募があり、厳正な審査を経て16件が選定された。
同事業は、産学協働による研究開発や人材育成、大学改革を一体的かつ総合的に支援することを目的としている。大学と企業等の双方で研究者や技術者が柔軟に行き来できる「クロスアポイントメント制度」の活用を促し、人材流動化を推進する。あわせて大学側の人事・給与マネジメント改革の実施を求めることで、民間資金の継続的な投資を誘発し、持続的な研究開発および人材育成体制の構築を目指す。公募は2026年4月28日から6月24日まで実施された。募集終了後、プログラムオフィサー(PO)や副プログラムオフィサー(副PO)、アドバイザー(AD)による書面および面接審査を経て採択プロジェクトが決定した。
今後、採択プロジェクトの中核となる実施大学が、参画機関などと連携しながら必要に応じてPO、副POおよびADの助言・指導を得つつ、本事業の目標達成に向けてプロジェクトを推進する。
プロジェクト概要:半導体材料のサプライチェーンを含む資源・製造・設計・利活用に関する研究開発と人材育成を産学連携で推進。「半導体インテリジェンス」に係る研究開発力強化と人材育成を図る。参画機関は日本ケイデンス他。
プロジェクト概要:健康ビッグデータを核とするプラットフォームを活用し、ヘルスケアAI分野の先端研究開発と高度人材育成を一体推進。革新的な人材育成・流動化モデルの実現を目指す。参画機関は日本電気、明治安田生命他。
プロジェクト概要:AI・IoTを軸に材料科学やモビリティ等の融合領域で、産学一体による双方向の人材交流・育成と研究開発を実践。高度人材の還流と投資拡大が循環する仕組みを構築。参画機関は経団連総合政策研究所、トヨタ自動車他。
プロジェクト概要:ライフサイエンス分野で科学とビジネスを繋ぐ人材育成を目指し、広域拠点「TRI-PARKS」を構築。企業連携を共創研究所へ発展させ、人材・知・資金が循環するエコシステムを確立。参画機関はかずさDNA研究所他。
プロジェクト概要:量子技術と生命科学の融合領域に産業共創イニシアティブを設置し、研究開発や人材流動、民間投資を推進。共同研究やスクールを通じた高度技術人材の育成と、産学共創の高度化を図る。参画機関は島津製作所他。
プロジェクト概要:企業との包括連携による4つの共創プラットフォームを起点に人的交流を促進し、産学協働を強化。産学協働型の博士育成やリスキリングを加速させ、共同研究費等の資金拡充を図る。参画機関は東京電力HD、三菱電機他。
プロジェクト概要:量子技術や半導体・光電融合を中核に、AI等と結び研究開発と人材育成を推進。「未来共創フロンティア」を設置し各種制度化を進め、企業投資が還流する都市型産学共創モデルを構築。参画機関はimec、KDDI総研他。
プロジェクト概要:学内に再現した次世代半導体基板加工のリファレンスラインを核に、産学協働を実装。実践を通じサプライチェーンを俯瞰するリーダー等を育成し、自走する知のエコシステムを構築する。参画機関は安永、三桜工業他。
プロジェクト概要:100%輸入依存のアルミニウムの完全国内循環を目指し産学共創エコシステムを構築。高品質リサイクル技術開発や高度人材育成、海外連携を推進し、産業・科学革新人材の強化を図る。参画機関はYKK AP、三協立山他。
プロジェクト概要:VGSU構想のもと共同研究や産学教育等を一体推進し、社会課題解決を担う高度専門人材「トランスフォーマー」を育成。人的交流と民間投資が好循環する人的資本循環モデルを構築する。参画機関は新光電気工業他。
プロジェクト概要:多様なモビリティによる社会を目指し研究開発と人材育成を推進。オープンイノベーションキャンパスを中核に人材流動と投資拡大を実現し、イノベーションを創出する産学融合拠点を形成。参画機関はトヨタ自動車他。
プロジェクト概要:全学的な産学共創拠点を構築し、独自制度を活用して研究者と技術者の双方向流動を加速。コンソーシアム型共同研究等で持続可能な自走化エコシステムを確立し、民間投資拡大を目指す。参画機関は川崎重工業他。
プロジェクト概要:産学イノベーション共創拠点を中核に、研究開発・人材育成・社会実装を一体化。処遇改革による「学から産」と「産から学」の双方向人材流動を促進し、知を世界へ展開する。参画機関はフジワラテクノアート他。
プロジェクト概要:独自のクロスアポイントメント制度による人的交流を核にエコシステムを構築。強みである製造業の3部門を中心に実践的教育等を推進し、即戦力の高度人材育成と研究開発を図る。参画機関はARCALIS、アピ他。
プロジェクト概要:研究資源を産業界に開放し、AI駆動型学際研究で競争力強化と未来人材育成を推進。3つのトラックで産学の壁を取り払う仕組みを構築し、破壊的イノベーションを創出する人材を輩出。参画機関は安川電機他。
プロジェクト概要:「海洋エネルギー共創研究所」を設置し、洋上風力・潮流発電等の課題を産学協働で解決。実海域をフィールドに関連技術や環境評価手法を研究開発し、分野を担う博士人材を育成する。参画機関は三菱重工業他。