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学校施設

第36回 【教職員のメンタルヘルス】養教複数配置の効果を生かす

2017年2月20日
連載

日々の職務や情報を共有し共通の「子供観」を形成する

平成26年度「養護教諭の職務に関する調査報告書(全国養護教諭連絡協議会)」によると、養護教諭の複数配置は、小学校は全体の8・7%、中学校は12・3%、高等学校は31・3%、特別支援学校は59・6%だった。平成20年度からほぼ横ばいで、学校規模別では、児童生徒数に比例している状況である。

高い複数配置の効果

複数配置の効果は高いと回答されている場合が多く、特に養護教諭が保健室に「常時在室」しているとの回答がどの学校種においても上位を占めている。複数で対応することができるため、当然ながら「救急処置の適切迅速な対応」「対応時間が十分」「感染症予防と迅速な対応」など時間的な効果が見込める結果だった。

一人の養護教諭が保健室に「常時在室」し、タイムリーな「健康相談・個別保健指導」が実施できると同時に、保健教育において分担して授業に参画することも可能である。組織の一員としても子供たちの心身の健康課題に関わることもでき、保護者や関係機関との連携も効果的に対応できることが推察される。

つまり学校組織、とりわけ子供たちにとっては効果が大きいといえるだろう。

しかしながら問題点として、人間関係のむずかしさも指摘されている。

人間関係むずかしい時も

【計画的な話し合い】
教職員のメンタルヘルス

「相手に気をつかう」ことや「同職の相手に対抗意識をもってしまう」などがあげられている。年齢構成や養護教諭としての経験も関係しているかもしれない。また、子供との出会いを通じた育ちのみならず、自身が子供の頃に形成された成長への欲求が「基盤となる観」となって、養護教諭としての成長に影響する要因も考えられる。

これらの要因は、職業生活に関するものに限定しない個人の生き方に関わるものや社会的な評価が含まれている。子供の頃の経験までさかのぼることはむずかしいが、養護教諭の日々の経験や子供たちからの学びを、職務のなかで共有することで、共通する「子供観」が見えてくることが期待できないだろうか。

解決策を一つ提案させていただきたいと思う。

計画的に役割分担を

突発な対応には、もちろん組織力を最大限にいかして取り組むが、学校保健活動として必ず実施しなければならないことは計画的に進めること。①1日の仕事内容の確認、②1週間の計画、役割分担や準備内容等の調整及び確認、③1か月の行事予定の計画、役割分担や準備内容の調整は、互いに綿密に行い、取組の意識を共有することが不可欠である。1学期間や1年間の長期計画についても学期や年度のはじめに先を見通し、共通理解を図ることも重要だ。

そして、何より子供たちの配慮すべき情報を共有し、養護教諭として同じ意識をもち、ぶれない冷静な判断や対応を行うことが、子供たちの安心安全を守ることになるだろう。万が一、人間関係のむずかしさを感じたとしても、組織の一員として職務遂行し、子供たちの健やかな成長を思う気持ちは一致しているはず。
まずは、困ったときには共に声に出して伝えることが大切ではないだろうか。

【引用文献】
1)平成26年度「養教諭の職務に関する調査報告書(全国養護教諭連絡協議会)」2015 p6―13
中森あゆみ:養護教諭複数配置の利点と問題点―経験者の語りから―.日本養護教諭教育学会誌.Vol.19.NO1.2015

 

執筆=上原美子(うえはら・よしこ)公立の小中高で養護教諭、埼玉県教育委員会指導主事を経験。現在は埼玉県立大学保健医療福祉学部共通教育科准教授、日本教職員メンタルヘルスカウンセラー協会事務局長

 

教職員のメンタルヘルス

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