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学校施設

第55回 【教職員のメンタルヘルス】養護教諭自身のメンタルが要

2019年2月18日
連載
Q1:養護教諭の複数配置のメリットとは。

全国養護教諭連絡協議会の報告書によると、平成28年度の校種別の複数配置状況は、特別支援学校が60・4%と最も高く、次いで高等学校が32・5%、中学校が9・7%、小学校が8・6%でした。

複数配置の効果として、「常時在室」「救急処置の適切迅速な対応」「対応時間が十分」「健康診断の事後措置の徹底」「感染症予防と迅速な対応」「健康相談・個別保健指導の充実」「保健教育への参画」「組織活動の充実」「保護者・関係機関との連携充実」の項目にすべての校種で効果が高いと回答されています。

様々な心身の健康課題を抱える児童生徒への個別的、集団的に複数で相談、確認しながら対応できることで養護教諭自身も他の教職員も安心して教育活動に従事できると思います。

Q2:人間関係の難しさなどが挙げられるが、具体的な取組・対処法は。

複数配置のデメリットとして、相手に気を使うことや対抗意識をもつという精神的なつらさをあげている先行研究も見受けられます。また判断や対応に対する考え方の違いからやりづらさを感じることもあります。そこには「養護教諭観」のずれに原因があると指摘されているのです。

専門職として職務上の効果はもちろんですが、保健室という空間のなかで「養護教諭観」のずれが生じた場合に、困難感を感じることが推察されます。そのため、毎日の対話を通じてお互いの考え方、特に「養護教諭観」の理解を心がけることが大切であると思います。

Q3:養護教諭のメンタルヘルス対策は自分自身や学校にどのような効果があるか。

養護教諭の困難感は、いつの時代も変わらないという印象があります。しかしながら、管理職や保健主事さらに、経験の豊富な教職員からの適切なアドバイスという最も身近な「周囲のサポート」によって、解決が困難な出来事を収束できることがあります。さらに養護教諭自身のメンタルヘルス対策も不可欠です。筆者はかねてから、養護教諭としての自信を積むために、日々の実践と自分の歩みを書き残す「キャリアノート」の作成を提案してきました。特に、子供たちからのメッセージは威力を発揮してくれます。

Q4:他教員の相談などを受ける際、複数配置の場合はどのように対応すればよいか。

日ごろから「しんどいと感じたら、一人で悩まず信頼できる人に相談しましょう」と情報発信をしておくことです。職場の同僚として、養護教諭を相談相手として選択することも多いかもしれません。複数配置では、状況を的確に把握でき、「心からのSOS」を聞き逃すことも防げると期待できます。

また分担して対応した場合は、相談者の了解を得て養護教諭間の情報共有が重要です。そして、職場の環境が要因にある場合は、管理職への報告や関係者と連携した迅速な対応が望まれます。

Q5:一人配置の場合はどのように対応すればよいか。

基本的には複数配置の場合と変わりません。日ごろから、受け入れ体制を整え、職員室などを見渡し、気分の落ち込みや意欲の減退が見受けられたり、欠席が2日以上続いていたりする教職員に対しては、積極的にあいさつや話をする機会をもちます。また相談を受ける場合は、状況に応じて関係者も同席して頂き、迅速な対応に努めましょう。

養護教諭がストレスを感じる職場の場合、周りも同じようにストレスを感じ、つらい思いをしている場合もあります。自分自身と周囲のストレスを軽減させるためには「笑顔でのあいさつ」や「職場の整理整頓」など日常的な取組がなにより近道かもしれません。

【参考文献】
・平成28年度養護教諭の職務に関する調査報告書=全国養護教諭連絡協議会/2017
・養護教諭複数配置の利点と問題点―経験者の語りから=中森あゆみ/日本養護教諭教育学会誌2015;19(1):35‐41
・「心が折れない部下」の育て方=笹原信一郎/メディアファクトリー新書2012


筆者=上原美子(うえはら・よしこ)公立の小中高で養護教諭、埼玉県教育委員会指導主事を経験。現在は埼玉県立大学保健医療福祉学部共通教育科准教授

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年2月18日号掲載

教職員のメンタルヘルス

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最新号見本2019年05月13日更新
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