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学校施設

夏場も感染症対策を怠らず プール熱・手足口病<白鴎大学大学教授 岡田晴恵>

2018年7月23日

ハンカチの貸借も厳禁

夏場に流行が心配される感染症は多い。学校において集団感染を防ぐ対策とは何か。著書『学校の感染症対策』(東山書房)などで知られる白鴎大学教育学部の岡田晴恵教授が解説する。

咽頭結膜熱(プール熱)

過去にはプールの水での感染が多かったことから“プール熱”とも呼ばれ、7・8月をピークに患者が発生します。「学校において予防すべき感染症(学校感染症)」では「第二種」の感染症です。小学校や幼稚園、保育所などで集団感染が生じることがあり、感染力が強いため、発熱や咽頭炎、結膜炎などの主症状が消えてから後、2日を経過するまで出席停止となります。

主に5~7日間(2~14日間)の潜伏期を経て発熱で発症、39度を超えるような高熱が4~5日続きます。原因はアデノウイルスで、扁桃腺が腫れて喉の痛みを伴い、目が真っ赤に充血し、目やにが出て涙が流れます。まぶしがるなどの症状があり、首のリンパ節が腫れます。これらの症状が治まるまでに約1週間かかります。

目の症状や吐き気、頭痛、咳などが強い場合には、早めに医療機関を受診してください。眼科的治療が必要な場合もあります。

喉の痛みから水分を摂りにくくなるので、のどごしの良いもの、冷たくて甘いものなどで十分に水分を与えましょう。

アデノウイルスは患者の鼻水や目やに、便などの中に出てきて、飛沫・接触感染で拡がります。家庭内での感染伝播もあるので注意してください。

手足口病

主に幼児がかかりますが、児童にも拡がることがあります。症状が回復しても長期にわたって原因ウイルスが排泄されるので出席停止などの措置は流行阻止にはあまり効果がありません。学校感染症では「その他」に分類されており、本人の状態が回復すれば保護者の判断により登校、登園は可能です。

3~6日の潜伏期の後、手のひら、足のうら、手足の甲、肘や膝のまわり、おしりなどに淡紅色の細かい発疹や直径2~3ミリの水泡ができます。通常は3~7日で発疹は消え、水疱は痂皮を伴いません。上あごや歯肉などに粘膜疹ができ飲食物がうまくとれない場合もあるので、栄養、水分補給に努めてください。

大抵は特別な治療をしなくても自然治癒しますが、まれに髄膜炎や脳炎、心筋炎などの合併症もあるので、医師の診療を受けます。合併症には死亡例もあり、高熱や熱が長びく場合、嘔吐、頭痛などは要注意です。

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスの複数のウイルスが原因で起こります。回復後も便中にウイルスが排泄されて感染源となりますが、学校の集団感染は、症状の強い急性期の患者のウイルスを含んだ唾液などの飛沫感染と考えられます。

学校での処置を徹底

両疾患ともに予防ワクチンはありません。ドアノブや階段の手すり、エレベーターのボタンなどに患者からのウイルスが付着していることがありますので、塩素系漂白剤や二酸化塩素の液剤で消毒しましょう。

治癒後も便にウイルスが長く排泄されるので、全ての子供にトイレの後を中心に手洗い励行を指導します。

ハンカチ、タオルの貸し借りや共用も避けます。保育所や家庭では、おむつ替えのときは職員、保護者の手で感染を拡げないように注意が必要です。

プールの前後はきちんとシャワーを浴びさせ、腰洗槽が設置されていれば、腰までしっかりつからせます。水は規定の塩素濃度で消毒し定期的にチェックします。塩素できちんと消毒された水ではうつりません。少数ですが成人の患者の報告もあり、教職員も自身が感染しないように予防に留意してください。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2018年7月23日号掲載

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