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教育ICT

教育工学から考える プログラミング教育<産学協同セミナー JSET>

2018年4月2日
新学習指導要領とICT活用

小4で“理想のキック”プログラミング
“何をすれば良いかわからない”代理店も

日本教育工学会(JSET)は3月10日、東京都内で平成29年度産学協同セミナー「新学習指導要領でのプログラミング教育の実現に向けて~教育工学の立場からプログラミング教育を考える」を開催。プログラミング教育の位置付けや実践に関する講演やパネル討議が行われた。

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(一社)ICT CONNECT常務理事の片岡靖氏は、同法人で教育委員会、教育センター、ICT機器の販売店を対象に行ったアンケートの結果を紹介。教育委員会から販売店への問い合わせ、販売展開の検討ともに約半数あるが、何をすればいいのかわからない販売店が一定数いる。

県教委・市町村教委はICT環境の整備が進まないこと等を理由に、主体的に動かず様子見のところが多い。「教育委員会や教育センターの指導主事の知見を深め、情報共有や優れた実践事例を創出する支援を行う」と語った。
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大阪大学の齊藤貴浩教授は、所属する東京工業大学プログラミング教育開発グループが小学校対象に行った実践授業について説明した。

授業は1学級当たり年2時間で、Scratchを基本に一部でArtecブロックも使用。大学院生のTAを1~2名配置。内容は、例えば1年生「ゾウの歩き方を発見しよう」では、ゾウの歩き方をビデオで観察し、歩き方の仮説を作成。Scratchを使ってゾウが歩くアニメーションを作成した。

4年「かっこいいキックをつくろう」では、かっこいいキックをグループディスカッションで考えて設計。足のような形のArtecブロックを使い、理想の動きになるように試行錯誤しながらキックを表現。教材の開発や子供の興味関心を喚起できたことに加え、「プログラミングの授業を通して、一部の教員の積極的な関与、取組への意識が変わる可能性を感じた」と話した。

東京学芸大学の高橋純准教授は、英国のプログラミング教育の現状から、実施する上で基本的なPCの操作技能の習得、プログラミングに関する基礎的な知識・技能の積み上げ、学習段階に合わせた体系的なカリキュラム、具体的な教材の必要性を指摘。

「約10年後の次期改訂に向け、いかに効果的にプログラミング教育を実施するか。多くの小学校で実施は年間で1~2コマだろう。それを効果的に実施し、授業を増やす必要性を感じてもらうことが大切。まずは体験から実績を積み上げていくしかない」と述べた。

パネル討議

パネル討議で片岡氏はプログラミング教育の意義について「少しの工夫で物事が大きく変わることを早いうちに体験することが重要」と述べた。齊藤氏は、「実際に授業をすると、子供たちは大人の想像以上にプログラミングを身近に感じ、関心を持ち、楽しみ、一生懸命取り組む。楽しんで学べることほどいいことはない」と語った。

梅村氏は「指針や実践事例等、プログラミング教育に関する様々な材料を提供していくことが文科省の仕事。各自治体にプログラミング教育やICT環境整備を進めてもらい、万全の態勢で2020年度を迎えられるようにしたい」と今後の展開を期待した。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年4月2日号掲載

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