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教育ICT

ICT機器を活用し 深い学び的確に評価<大阪府立東百舌鳥高等学校・勝田浩次教諭>

2018年4月2日
第4回私立公立高等学校IT活用セミナー・大阪

2月24日、大阪市のCIVI研修センター新大阪東で、第4回私立公立高等学校IT活用セミナーが開催された。ICT環境整備や機器の活用について、5人の講師によって行われた講演の内容を紹介する。

ポートフォリオで学びを視覚化

大阪府立東百舌鳥高等学校・勝田浩次教諭

大阪府立東百舌鳥高等学校・勝田浩次教諭

大阪府立東百舌鳥高等学校の勝田浩次教諭は、ICTを活用したアクティブ・ラーニング(A・L)の評価について講演した。

学校教育法が定める学校教育において重視すべき三要素は、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体的に学習に取り組む力」。学校には様々な生徒がいる。1人1人の個性を尊重しながら、今何ができていて、これから何を学ぶ必要があるかを伝え、伸ばしていくことが評価と考えている。

A・Lは主体的・対話的で深い学びと言われることが多い。深い学びとは何か。単に知識を暗記したり理解したりするだけではなく、自分の行動を自分で評価や分析したり、新しいものを創り出したりできることが重要。理解や分析、創造を通し、学習内容を積み重ね、それを生徒の特性に合わせて展開することと言える。

深い学びの実現には評価方法の使い分け

深い学びを実現するために、分析や創造をどう評価するか。タイミングと目的の性質によって2つに分けるべきと考えている。タイミングとは、学習の最初・途中・最後の3つで評価をする。いわゆる診断的評価・形成的評価・総括的評価である。

目的の性質については量を見るか質を見るかで大別できる。「質」については、例えばパフォーマンス評価は知識やスキルを使いこなすことを求める評価方法で、実際にプレゼンテーションを見ながら子供たちが相互評価をしたり、教員が評価したりする。その際ルーブリックを活用する。

もう1つはポートフォリオ評価。生徒の学習の過程や成果などの記録や作品を集積したファイルを活用し、学習状況を把握。到達点や今後の課題などを示す。意味のある区切りごとに授業で学んだことや考えたことを振り返らせ、記載させていく。コメントやフィードバックを返すことで書く量が増え、質が深まり、自分がどのように学んだかを可視化できる。単元の最後には各回の振り返り、授業で用いた資料や成果物などを元に単元のまとめを生徒にさせる。図やイラスト、多くの色を使うなど、自由に振り返りさせている。授業で学んだこと、これから学びたいことは生徒によって違う。

同校ではICT機器が揃った環境で授業が行われている。全教室に無線LANが整備され、担任は1人1台iPadを所有。生徒共用のiPadは130台ある。

ICTを活用することで、まとめや評価が格段にやりやすくなった。例えば「Google Slides」は思考のプロセスを共有し、様子を見ながら生徒にフィードバックするツールとして使っている。また「Google Sites」で授業の内容や相互評価したものをサイトにアップする。「Google forms」は相互評価や振り返りに活用する。こうして蓄積した学習の内容を確認し整理する。

自らの学びを、ICTを用いて可視化することで、授業への理解、教員と生徒、それぞれの想いを共有できる。点数だけにこだわらず、意欲的に学ぶ生徒の姿がそこにある。

【講師】大阪府立東百舌鳥高等学校・勝田浩次教諭

 

【第4回私立公立高等学校IT活用セミナー・大阪:2018年2月24日

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年4月2日号掲載

  1. 兵庫県立明石城西高等学校・竹谷将幸教諭
  2. 東海大学付属仰星高等学校・中等部・阿部守勝教諭
  3. 常翔学園中学校・高等学校・田代浩和教頭
  4. 大阪府立東百舌鳥高等学校・勝田浩次教諭
  5. 関西学院千里国際中等部・高等部・米田謙三教諭
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