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教育ICT

自宅や通学の学習にタブレット端末活用<星稜中学高等学校・濱野加代子教諭>

2018年5月7日
第48回教育委員会対象セミナー・金沢

3月24日、金沢市の金沢商工会議所で第48回教育委員会対象セミナーが開催された。5人の講師による講演の内容を紹介する。次回の第49回教育委員会対象セミナーは、7月5日に東京都墨田区のKFCホールで開催される。

使用時間制限、SNS禁止を徹底

星稜中学高等学校・濱野加代子教諭

星稜中学高等学校・濱野加代子教諭

星稜中学高等学校で中高一貫推進室長を務める濱野加代子氏は、同校での1人1台タブレット端末を活用した実践事例を報告した。

同校は平成29年度から中高一貫教育校に変更した。1期生60名が入学し、1人1台タブレット端末を配布した。導入に当たり3つの点を考えた。1つ目は端末とアプリの選定。最終的に全校生徒約2千人が使うことになるので慎重に選ぶ必要がある。メーカーの担当者に学校でプレゼンをしてもらい、20名ほどの教員の投票で決めた。2つ目は生徒指導。3つ目は教員のスキルアップだ。

端末は「iPad Air2」を採用。通学時間や自宅での勉強に活用できるように、LTE通信にした。校内では無線LANに接続している。アプリはロイロノートを使用。高校ではClassiを活用する予定。使用時間は6~22時。学校では朝と放課後は使用可能で休み時間は使用禁止。インターネットは使えるが、Youtube等は禁止。生徒間のメールのやり取りも禁止。SNS等はできない設定で、I―FILTERも利用している。

タブレット端末導入の目標を設定した。1つ目は学力向上。2つ目は新しい大学入試への対応と新しい時代の変化への対応。3つ目は生徒も保護者も満足する利用方法。

学力向上のためにタブレット端末を活用して家庭学習をしている。通常の授業の宿題を極力減らし、問題の配信にタブレット端末等を活用しながら、国語・数学・理科・社会・英語の宿題を、曜日を決めて出題する。生徒は毎日勉強し、教員は宿題にかける手間を週1回に減らすことができる。生徒はタブレット端末でノートに解いた問題の写真を撮ったり、音声を録音したりして教員に提出する。提出時間や順番がわかり、保護者が宿題を気に掛けるようになった。生徒は宿題を解いたノートやプリントの提出を忘れなくなった。数学の授業では、生徒2人1組でテストの解答を作り、解説した。生徒の解説動画はタブレット端末でいつでも見ることができる。

お知らせや動画を保護者に全て配信

新時代の変化への対応で、同校は29年度からイングリッシュキャンプやサイエンスプログラムを取り入れた。中学校1年・3年と高等学校1年で取り組むサイエンスプログラムでは、1年を通して週1回、継続的に研究活動を行う。自分たちでテーマを決めて研究を進め、プレゼンする。

通信料を負担する保護者には、満足を提供する必要がある。担任が毎日生徒の学級日誌を写真で撮って配信する他、お知らせも全て配信。学生ボランティアが学校行事の動画の配信も行っている。学校での子供の様子がわかることで教育方針への理解にもつながり、保護者の満足度は高い。保護者へのアンケートでは「学校行事への理解」100%、「担任への信頼度」97%「情報発信」95%等となった。

タブレット端末の導入で保護者が教育に積極的に関わりはじめ、オープンなイメージの学校になった。教員負担は最小限ながら、生徒は十分に活用している。今後は授業以外で学習効果が上がる取組を考えたい。

【講師】星稜中学高等学校・濱野加代子教諭

 

【第48回教育委員会対象セミナー・金沢:2018年3月24日

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年5月7日号掲載

  1. 國學院大學・田村学教授
  2. 加賀市教育委員会学校指導課・可部谷孝嗣指導主事
  3. 大阪市教育委員会事務局・山本圭作課長代理
  4. 富山県立砺波高等学校・東海直樹教諭
  5. 星稜中学高等学校・濱野加代子教諭
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