• Ad
  • KKS 学校教材 学校教材をお求めの方
  • JBKジュニア防災検定
  • 都道府県教育旅行リンク集
教育ICT

1学年で1人1台活用できる<那須塩原市教育委員会>

2018年5月7日
教育ITソリューションEXPO特集

管理ソフトで情報端末の追加整備に対応
全小中義務教育学校30校にAP約600台

山本英明 指導主事

山本英明 指導主事

栃木県那須塩原市教育委員会(小学校20・中学校9・義務教育学校1)では、平成27年度から3年計画で、学校ICT環境の大規模整備を行った。整備の目的は「21世紀型学力を育む授業が展開できる環境づくり」。教育委員会事務局・学校教育課の山本英明副主幹・指導主事に、整備計画立案・実施までの経緯と具体的な整備内容を聞いた。

「授業観」の転換で意欲・学力が向上

ALTの家族とビデオ通話で会話した

ALTの家族とビデオ通話で会話した

21世紀に必要とされる資質能力を育成するためには、学校にICT環境が必須であるという教育長の方針の下、「小学校5年生以上が1人1台の情報端末を活用できる環境」を視野に入れ、実証研究を始めたのが平成27年度だ。初年度は那須塩原市立豊浦小学校で、3年目から鍋掛小学校と日新中学校も追加して3校で検証。「1学年全員が1人1台で活用できる」台数を目標に、学校規模に合わせて各60~150台の教員用・児童生徒用情報端末を整備。ICT支援員も特別枠で、常駐に近い形で配備した。

活用の際には、21世紀型能力の在り方を確認したうえでの授業活用が重要であると考え、「なすしおばら学び創造プロジェクト」を4年計画で立ち上げて「授業観」の転換を図った。

実証校では、特に「情報端末を活用して効果的であると思われる場面を見つけて活用する」ことを念頭に進めたところ、これまで以上に「主体的な学び」「協働的な学び」に配慮した授業が増えると共に、各種学力テスト等でも明らかな学力向上が見られた。

特に2年間検証した豊浦小学校の成果は顕著で、「必要な場面で利用するほど効果が大きい」ことを示すことができた。

プロジェクトで収集した好事例は、動画付実践事例集「『分かった!』の声を聞くために『授業でICTを使ってみよう』小学校編及び中学校・高等学校編」として栃木県総合教育センターWebで公表している。

実証の成果から整備内容を精査

グループ1台での活用も進んでいる

グループ1台での活用も進んでいる

市教委では、実証研究と並行して、学校ICT環境の整備内容を精査。「児童生徒用情報端末1人1台整備」に取り組む前に、「1人1台で情報端末を活用しても問題ない環境」の全校整備に取り組むこととした。具体的には、全普通教室・特別支援学級・理科室・体育館・特別教室等に無線LAN環境、電子黒板、実物投影機を配備した。

こだわった点は「常設」だ。スクール・ニューディール以後の検証から、「アクセスポイント(AP)も含めて機器はすべて『常設』でなければ整備コストに見合う活用に至らない」と考えた。

指導者用デジタル教科書も主要教科と共に今年度から「道徳」を導入。これまでクラス分を導入していた指導書セットを学年につき1冊の配備と減じて予算を確保するなどの工夫もした。

安定した無線LAN環境を構築する

「情報端末を自由に活用する環境」にとって、無線LANの性能は重要だ。市教委では各社カタログのほか各展示会でも情報を収集。1学年相当数の端末を同時に活用しても無線接続が途切れないこと、干渉電波の影響を受けにくいこと、10年以上教員が使い慣れている授業支援システム「SkyMENU」との親和性などの検討を踏まえ、「ACERA850F」(フルノシステムズ)を導入。この3年間で全30校に、約600台のAPを整備した。整備の際には5GHz帯と2・4GHz帯を組み合わせて隣のクラスの電波が干渉しないように設計した。

管理ソフトウェア「UNIFAS」も配備。「最大1000台までのAPを集中管理できる拡張性の高さ」がニーズに適合した。「今後、配下の情報端末数が増えても、安定した無線LAN環境により随時対応・管理ができる」と語る。

学校により整備内容や進捗は異なるが、1人1台環境に近い形を工夫しながら進めていく方針で、検証校以外の学校の児童生徒用端末については、PC教室の整備をタブレットPCに更新して普通教室などに持ち出して使えるように順次配備中だ。現在13校でPC室の入れ替えが完了。「中学校卒業までには1分間に100文字程度入力できるようにする」能力を身に付けされることも考慮して、PCはキーボード付きを整備している。

ニーズが増える児童生徒用端末

「小学校編」実践事例集

「小学校編」実践事例集にARアプリで豊浦小の事例動画も収録されている

「児童生徒用端末の導入を心待ちにしている積極的な教員が増えており、整備のニーズはますます増えている。この3年間の整備で、必要なインフラの基礎が整った。次は財政当局と調整しつつ、文部科学省の通知『平成30年度以降の学校におけるICT環境整備の方針について』を踏まえた整備を進めるほか、中学校区ごとに整備計画の年度をそろえるなど、子供たちのための必要な環境整備の検討に取り掛かる。そのためにも現状の整備による成果を上げ、学校現場の要望を具現化したい」と語った。

 

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年5月7日号掲載

関連記事

PAGE TOP