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教育ICT

4K電子黒板でよりアクティブな提示環境に

2019年3月4日
Society5.0を生き延びる力を育む学校環境

映り込みなく暗幕不要
戸田市立戸田東中学校

戸田市教育委員会ではこれからの社会に生きる子供たちに必要な教育を見据え、AIでは代替できない能力、AIを活用できる能力の育成を目指して産官学民と連携した先進的な教育を推進している。教育改革の柱は「新しい学びの創造」、「指導力のある教職員の育成」、「新たな教育行政への転換」など。教育ICT環境はエビデンスベースによる整備を行う方針で、デジタル教科書は小中学校ともに主要教科をすべて整備済。文部科学省の整備指針である「3クラスにつき1クラス分の学習者用PC整備」に向け、平成30年度に小学校12校に約2000台のタブレットPCを整備したばかりで、中学校も順次導入を進める方針だ。無線LANも体育館を含めて整備済。コンテンツ整備や1人1台の学習者用PC環境が実現すると、一層重要になるのが提示環境だ。

75型で授業構成も変わる

デジタル教科書の写真を提示。戦中のモノクロ写真も鮮明に拡大できる

デジタル教科書の写真を提示。戦中のモノクロ写真も鮮明に拡大できる

現在戸田市の小中学校ではスクール・ニューディール整備時の50型テレビを活用しているが、9年を過ぎることもあり、次年度以降の更新を視野に準備を進める方針だ。それに伴う検証の1つとして、ブラビア75型4K電子黒板セット(ソニー)を戸田東中学校(小暮孝明校長・埼玉県)で活用している。

2年2組では「第一次世界大戦と日本」の学習に取り組んでいた。この日の目標は「第一次世界大戦はなぜ起こり、どんな戦争で、日本はどのようにかかわったのか」

教室前方には75型電子黒板が設置されており、多田悟教諭は教科書に掲載されている4枚の写真をデジタル教科書から電子黒板に提示した。飛行機、機関銃を持っているガスマスクをした兵士、戦車、長いざんごうに待機している兵士の写真だ。これらの写真の注目すべき部分に赤くラインを引きながら、兵器が戦争にどのような影響を与えたのかなどを考えさせた。モノクロの写真だが明るくしっかり見えるので、生徒も注目しやすい。

デジタル教科書全体を電子黒板に提示したり、大戦当時の国際関係を表した図を拡大提示したりして考えを促したり、話し合わせたりしていく。資料集のグラフ「第一次世界大戦での各国の動員数と戦費」を提示し、日本の死傷者が連合国において最も少なかった理由について考えさせた後は、個人の考えをノートに記載。友人同士で話し合う場面も見られた。

授業の終わりには本時のまとめの質問を電子黒板に3つ提示。いずれも短くはない質問だが、教室後方からでも文字ははっきりと見やすく、生徒はそれぞれの質問に対する答えをノートにまとめていった。

既存のペンでもタッチでも操作
多田悟教諭
既存の50型テレビ(左)と75型電子黒板(右)を比較

既存の50型テレビ(左)と75型電子黒板(右)を比較

電子黒板機能が活用できるようになってから、1、2年生の社会科の授業でブラビア75型4K電子黒板セットを持ち込んで活用している。日常的に大型ディスプレイに慣れている生徒も、75型という大きさに驚き、映すと画像の鮮明さに感動していた。GoogleMapで地図を表示して見せた際もきれいで見やすいため、生徒も、様々なものを見てみたいという意欲が増したようだ。

社会では写真をよく提示するが、視認性が高く、教室後方の生徒からもよく見えるようだ。

電子黒板機能も強調したいところを瞬時に指摘できるなど大変使いやすい。強化ガラスの硬さもちょうどよく、ラインも鮮明に書き込むことができ、快適な書き心地。

既存のペンでも指でも操作できるのでペンの電池切れや故障の心配が不要な点も安心だ。

4K解像度で鮮明さが際立つ
長野真吾教頭

11月の研究発表会時には体育館に持ち込み、式次第を投影したが、文字の視認性も高く見やすかった。4K対応ということもあり発色の良さや文字や線の鮮明さが際立っていると感じた。

75型の大きさがあると提示できるものが増え、授業構成も変わる。75型の大きさでありながら、薄さ、フレームのコンパクトさ、スタンドのシンプルさもあり、教室にあっても圧迫感がそれほど感じられず驚いた。

学校向けに設定を変えることで、リモコンがなくても電源をオンしただけで提示できる(HDMI入力信号感知機能による自動オン・オフ入力切替機能)点も学校にとって使いやすい。

映すものが増えれば提示環境も変わる

戸田市役所教育委員会 事務局教育総務課 諏訪村喜信氏

戸田市役所教育委員会 事務局教育総務課
諏訪村喜信氏

文部科学省「平成30年以降の学校におけるICT環境の整備方針」では、大型提示装置の全普通教室整備及び特別教室整備(1校6台程度)を必須とした。さらに要件として「画面サイズについては教室の明るさや教室の最後方からの視認性を考慮したサイズ」であること、提示機能やインタラクティブ機能の必要性についても言及している。

既存の50型と75型を比較すると、75型の有用さがよくわかる。前回大型提示装置整備の際には、実物投影機の画像を提示する程度の活用が主だったが、状況は大きく変わっており、デジタル教材・教科書や様々な映像コンテンツ、子供の発表資料や作品など提示すべきものが増えている。1人1台の学習者用PCを活用するようになると、皆の意見を授業支援ツールなどで表示する機会も増えるが、70型以上あれば、誰の意見がどこにあるのかよくわかる。授業支援ツール(戸田市ではロイロノートを活用)やデジタル教科書との相性も良いようだ。

これまでは画面の映り込みがあり埃や指紋が目立つなど、年数が経つにつれて提示環境にストレスを感じる場面もあったが、ブラビアには映り込みはほぼ感じられず、教室のどの場所からも写真や映像、文字が見やすかった。映り込み防止のための暗幕整備はコストも管理もかかり、劣化も激しいため、暗幕なしで活用できる提示環境が望ましい。プロジェクターとディスプレイそれぞれの電子黒板にメリットはあるものの、一度この大きさや見え方の快適さに慣れると、これ以下の大きさには戻れないと感じた。次年度以降の整備に向けて全校の学校長に確認してもらい、整備内容を検討していく。

ミラーリング機能でタブレットPCと連携
荒川区立第四峡田小学校

荒川区立第四峡田小学校 山本洋校長

山本洋校長

東京都荒川区では平成26年度から区内すべての小学校にタブレットPC(1・2学年は4学級35台、3~6学年は2学級40台の割合で配置)を導入しており、ほぼ1人1台で活用できる環境だ。電子黒板等大型提示装置は平成21年度から整備を進め、現在、全校全普通教室に整備済で日常的に活用されている。電子黒板の授業活用が進むにつれ様々な活用が広がっていることから、荒川区立第四峡田小学校では、大型提示装置を各フロア1台程度整備。2月には最新型のブラビア65型4K電子黒板セット(ソニー)の活用を開始して玄関ホールに設置し、検証を始めた。山本洋校長に電子黒板の活用と4K電子黒板の使い勝手について聞いた。

玄関フロアに65型4K電子黒板を設置して来校者へのメッセージなどを提示している

玄関フロアに65型4K電子黒板を設置して来校者へのメッセージなどを提示している

同校には全普通教室の50型電子黒板に加えて、1Fは玄関に、2Fは英語教室に、3Fは音楽室に大型提示装置を常設。体育館や中ホール、ランチルーム、理科室や読書スペースなど必要に応じて移動して活用している。普通教室に持ち込めば2台の大型提示装置を活用でき、遠隔授業やグループ活動などで活用できる。

これらは教員のニーズから学校予算等で導入したものだ。荒川区の学校長予算は、学校長が教育長の前でプレゼンテーションする必要があるため、その有用性を十分に学校長が理解していることが望ましいという。

■校内配信システムで電子黒板活用が広がる

校内の敬老席に運動会のライブ映像を流した

校内の敬老席に運動会のライブ映像を流した

区では校内ライブ配信や録画映像を配信できる「みらいスクールステーション」を導入しており、同校でも授業のほか様々なシーンで活用している。運動会では小ホールを「敬老席」として運動会の様子をライブで配信。冷房がある部屋で観戦できた。防災訓練の際は、不審者が侵入して教員が対応する様子を各教室に配信。臨場感を高めた。インフルエンザの時期には校長室から各教室の電子黒板に放送する形で全校朝会を実施。昨夏のような猛暑時の熱中症対策にも対応できる。

玄関フロアの大型提示装置には、来校者へのメッセージを流している。これまでディスプレイを設置していたが、今回これをブラビア65型4K電子黒板セット(以下、ブラビア)にしたところ、登校してきた児童は「大きい!きれい!」と驚いており「4K放送も見られるの?」と興味を持ったという。来校者も提示内容に注目した。

ブラビアは解像度が高く輝度も明るいため、明るい校舎内のどこでも安心して活用できるという。WiFi対応なので場所を選ばず設置できる点もメリットだ。2K映像を4K解像度レベルまでアップコンバートする機能もあり、1Fの理科室に移動して活用すれば小さな植物を実物投影機などで拡大提示できる。

「みらいスクールステーション」のミラーリング機能と連動して教員用タブレットや児童のタブレット画面を転送できることから、体育館に持ち込んで児童がプレゼンを発表することも可能だ。

■高解像度電子黒板を低価格で導入できる

タッチ操作で教材や映像を提示できる

タッチ操作で教材や映像を提示できる

電子黒板としてタッチ操作ができるようになったため、みらいスクールステーションがより活用しやすくなった。今後はこの機能を活かし、学年ごとの情報など、より詳細な情報にアクセスできるような仕組みができればと考えている。

山本校長は「ディスプレイよりも電子黒板の方がニーズは高いが、予算面から難しいと感じていた。ブラビアであれば学校予算でも導入しやすい。より鮮明に映ることで情報の取得量が変わり、意欲を刺激するなどの活用効果を示したい。児童が気軽に触れて情報を取得できるような仕組みとする、海外や国内遠方の学校と常時交流するなど教育機器にとどまらず生活情報を入手したり興味関心を高めたりするツールとして活用できれば」と語った。将来的には防災アナウンスを教室ごとにできるよう、現在防災課と調整中である。

 

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年3月4日号掲載

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