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教育ICT

「活用ステップ高千穂」を策定 スキルアップ研修を32回実施<霧島市教育委員会メディアセンター兼学校教育課指導主事・時任志郎氏>

2021年12月6日
第80回教育委員会対象セミナー・鹿児島

11月13日、鹿児島市内で第80回教育委員会対象セミナー「GIGAスクール構想 ICT機器の整備・活用」が開催された。本セミナーは当初の8月開催を11月に延期して実施。鹿児島県では初開催。


霧島市教育委員会メディアセンター兼学校教育課指導主事・時任志郎氏

11台の情報端末を配備した鹿児島県霧島市教育委員会(小学校35校・中学校13校)の時任志郎指導主事は、個別最適な学びと教職員の資質向上に向けた取組と課題への対応について報告した。

◇・◇・◇

20212月、小学校にiPad、中学校にWindowsPCを配備してドリルや授業支援アプリ、クラウドサービスを導入。同年3月、霧島市小中学校ICT環境整備計画を策定し、国の方向性、市の基本目標・施策、課題とそれに対する対応をまとめた。

クラウドバイデフォルトを円滑に活用するために重要なのが学校のインターネット環境だ。本市では、光回線がまだ敷設されていない学校の中には山をいくつも越えた長距離無線配備で一斉に端末を活用することが難しい環境もある。市の配備と共に徐々に切り替えており、今年度末には全校に配備予定だ。

環境が整い、できることが多くなった半面、現状の課題を不安に思う声も届いていることから「霧島市におけるGIGAスクール構想整備後の活用イメージ」を1枚にまとめて配布。今後のネットワーク配備計画やサポート体制、一日の流れの例を示した。

研修に関する要望も多い。そこで、「活用ステップ高千穂」を策定すると共にそのステップに合わせたサポートや研修計画を「ロードマップ」にまとめ、オンライン型やオンデマンド型を多く採用して計画的に取り組んでいる。

「活用ステップ高千穂」では、ステップゼロ「た」を「楽しくみんなで触ってみる」段階、ステップ1「か」を「必ず毎日使ってみる」段階、ステップ2「ち」を「違う場面でも活用してみる」段階、ステップ3「ほ」を「他の場面でも使ってみる」段階として示し、朝や帰りの会、授業や係活動、委員会活動、学校行事や生徒会活動、児童会・生徒会、職員会議等での活用を段階的に示している。これは「そこからで良いのか」という安心感と全職員の雰囲気作りにつながった。また、このステップを超えて多様な活用を進めたい教員には必要な情報や資料が届くように配慮している。

■計画的な研修で授業力向上

20204月、校長や教頭を対象に研修会を実施。リーダーシップの重要性について周知した。5月、情報教育担当者に向けた研修を実施。オンラインで実施することで希望する全職員が参加した。

全教職員に対しては、校内研修やメディアセンター主催によるプログラミング教育等の講座、遠隔やオンライン教材等による研修や講演、教職員対象のメディアセンター講座等を行っており、前述のロードマップや県域アカウント、アプリ等の説明を行った。県域アカウントは積極的に活用しており、業務改善に有効だ。

研修は該当者のほか希望する職員も参加できる。内容はいつでも必要なときに視聴できるようにオンデマンド化している。今年度はオンデマンドに加え、校内訪問により各校に応じたスキルアップ研修会を行っており、より具体的な内容とした。オンラインやオンデマンド等4月から10月までに32回実施した。

■情報の共有・発信も重要

サポート窓口の連絡先も一覧に示して提示。ICT支援員やGIGAスクールサポーター、指導主事もMicrosoftTeamsでつながり、他校の課題を共有、迅速な解決に結びついている。

地域や保護者への情報発信も重要だ。各校がWebで独自に発信しており、それらをまとめた各校の取組を「Kirishima GIGA Information」で紹介。各校の取組が一覧できるようにするとともに紙版も配布している。

学校が活用しているアプリを使った親子対象講座も実施。イベント等児童生徒の活躍する場面も用意した。

■デジタルシチズンシップを様々な機会で育む

情報端末は、当初は教員主導の「教具」としての活用が多く見られたが、現在は、児童生徒主体の「文具」としての活用へと変わりつつある。

問題が発生した場合は共に考えてルールを子供主体で設定するようにしている。ある学校で「エアドロップで悪戯画像を送る」事件が発生した際、その機能を止めた方が良いのではないか、という意見が出た。そこでその学校では、全教職員にアンケート。「子供の意識を育てて社会に送りだすことが重要」という総意になり、機能は止めず、指導を工夫することとした。

GoogleWorkspace上に動画作品を投稿できるようにし、SNSの疑似体験を指導している学校もある。使って体験し、様々な機会でモラルの指導を行い、授業と連動して家庭でも学ぶなど、家庭も巻き込んでいくことにより児童生徒主体の情報発信が活性化し、デジタルシチズンシップ力が向上していくことが重要であると考えている。【講師】霧島市教育委員会メディアセンター兼学校教育課指導主事・時任志郎氏

【第80回教育委員会対象セミナー・鹿児島:2021年11月13日】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年12月6日号掲載

  1. 鹿児島市教育委員会 鹿児島市立学校 ICT推進センター所長・木田博氏
  2. 鹿児島大学教育学部附属小学校 教諭・三宅倖平氏
  3. 霧島市教育委員会 指導主事・時任志郎氏
  4. 中村学園大学教育学部 教授・山本朋弘氏


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