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教育ICT

GIGA端末、明らかに効果が出ている

2023年4月4日
教育の情報化推進フォーラム

一社・日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)は「ICT利活用で広げる教育のみらい」をテーマに教育の情報化推進フォーラムを3月3・4日に東京都内で開催。対面での開催は2019年度以来。当日は約3000名の教育関係者が集った。展示企業は約30社。ICT夢コンテスト2022の表彰(審査委員長=中川一史教授・放送大学)も行われ、受賞者は2日間にわたり実践を報告した。

総務省赤間氏

総務省赤間氏、文科省山田氏、経産省五十棲氏

開会式で文部科学省初等中等教育局の山田哲也・修学支援教材課長は「GIGAスクール構想による11台端末環境が始まりほんの数年であるが、控えめに言っても明らかに効果が出ている。これまでの授業を変えることに勇気はいるかもしれないが、今こそ管理職が教員の背中を強く押していただきたい。その管理職の頑張りを支えるのが教育長や首長だ。子供は将来の地域を支える存在。文科省は各自治体の羅針盤となり必要な支援を行っていく。鉛筆のように必要なときに自由に活用できる感覚となることが重要だ」とあいさつ。

経済産業省商務情報政策局の五十棲浩二・教育産業室長は「11台端末環境で3年間学んだ真のデジタルネイティブが中学生や高校生になる。そんな彼らを受け止める学校や行政の進化が問われる。思うほどうまく活用できていないという声もあるだろがデジタルツールなしの社会はもう来ない。202212月の補正予算では探究的な学びや教科『情報』で利用するための教材等に活用できる補助金を確保している。また、『情報』を学ぶための各種民間サービスについて各地域での研修会開催を考えている。積極的に活用してほしい」とあいさつ。

総務省情報流通行政局の赤間圭祐・情報活用支援室長は「これまで学校外の教育データ連携基盤づくりに取り組んできた。今後は個人がデータを蓄積・管理する仕組みを検討するためデジタル社会に求められるリテラシー育成を討議する有識者会議を昨年11月に立ち上げた。既に5回の討議を終えている。青少年のICT活用のためのリテラシー向上に関するワーキンググループの討議も始まった」と話した。

 

ICT夢コンテスト受賞者発表より

360度VR映像で授業公開 参加者1000人以上に
文部科学大臣賞(学校)
三重大学教育学部附属小学校 前田昌志教諭

360度VR映像とマイク・ミキサーを使った公開授業システムにより、参加者が2年連続で1000名を超えた。

360度カメラだからこそ見取れるものがある。カメラはグループの中央に設置しており、児童のうなずきや視線、視点移動などを詳細に読み取ることができる。360度カメラなので角度を変えると、そのとき見ている端末画面やノート、提示画面などもわかる。

教員の見取りにも影響を与えた。実際の授業でも、カメラを設置する場所=子供の目線から教員自身が見取るようになった。三重県教育委員会とプロジェクトも始まった。

NHK賞
VRコンテンツ利用し体育・物理で教科横断的な学び
松戸市松戸高等学校 瀬和真一郎教諭

体育と物理、最新テクノロジーを楽しく体験的にシームレスに学ぶ実践を報告。VRバドミントンの体験中に、空気抵抗、反発係数などの設定を生徒自身が任意に変更することで体育と物理の関係を体感した。高校3年生28人が参加、内6人が物理選択だった。外部スタッフが2名参加して技術等支援したほか、物理担当の教員も参加し、物理とバドミントンの関係を講義。教科横断的な学びが実現した。

授業ではグループ毎に1台タブレットを配備し、プレイしていない生徒はタブレット上でプレイのジャッジや分析を行った。1時間目はバドミントンと反発係数、2時間目は空気抵抗がテーマ。機器やゲーム操作の理解度にバラつきがあったため、授業前に使用方法動画を作成し事前に視聴。生徒は「机上で教わる物理は理解が難しいがVRを使って体験することで理解しやすかった」「気温による影響を受け専用のシャトルを使い分ける理由が分かった」などふり返った。

教科担任制のため人員配置のカリキュラムマネジメントが必要であることと、通信環境やHMDの価格と普及などハード面の不足があることが今後の課題。

今回の取組を通してクロスカリキュラムやVR授業のイメージが持てた。特に肢体不自由者の授業参加や、複雑な動きのシミュレーションに効果的だと考えている。地理的な条件(気候や高度)にアプローチすればさらに教科的横断的な授業も可能になると期待している。

審査員特別賞
未来を創ろう!校内FabLabの設置と独立自活を目指した学習環境へ
東洋大学附属牛久中学校・高等学校 徳竹圭太郎教諭

生徒の多様な興味関心に対応するため、教員が関与しなくても生徒たちだけで学び合える学習環境として校内FabLabを設置。ICTを活用したものづくりの素養の育成と自発的な学びを促した。

学習環境には4つの設計要件を設定。「やりたい」を実現する設備の充実成果物を意識したプロジェクト単位での開発成果物、情報を共有する場の設定生徒による自己決定の尊重これらを満たす学習環境の構築により生徒が学び合える環境を目指した。

活動では「やりたい」ことを具体化し、スモールステップの目標を設定。目標の細分化により段階的にスキルを身につけることができる。成果物はGitHubに投稿。Discordで進捗状況などを情報共有。互いの専門性を持ち寄り協働プロジェクトに発展した例もある。これまでの成果物は素因数分解の速さを競うゲーム、スプレッドシートをデータベースにした片頭痛予測システム、VRオンライン授業環境の開発など。デジタル教科書問題集のユーザインターフェースの情報設計を社員と共同で実施するなど外部とも連携。

構築した学習環境に対する評価とキャリア形成への影響に関しては、▽自律的な学び「有益な情報交換ができる」「新設備を導入しやすい」▽協働的な学び「各々専門性があり協力できるため別分野に手をつけやすい」「仲間との会話によって問題点を客観視できる」▽キャリア形成「夢中になれることを発見した」「経済学部から情報系への進路変更」―など肯定的な評価が多く見られたほか、学習環境の設計要件も達成できた。

今後は生徒の成果物を校内外に公開するポートフォリオの構築、ICTの枠を超えた探求の場としての環境整備、学校間のFabLabネットワーク構築による学びの最大化を目指す。

優良賞
保健室の来室記録をタッチパネルで記録
立川市立西砂小学校 阿部大樹教諭

養護教諭として「すべての養護教諭がICTを活用できるようにしたい」と考え、保健室の来室記録を、情報端末を使ったタッチパネル方式で作成。Googleサイトとフォームによりタッチパネル方式で児童が選択し、その結果をGoogleスプレッドシートに集約している。

優良賞
BIツールで問題解決!意思決定につなげる機会を創出
東大寺学園中学校・高等学校 吉田拓也教諭

情報Ⅰ「情報システムとデータ活用」の取組。生徒はコンビニの管理部門に属する立場を想定し、BIツールを用いて売上レポートを作成。生活を支える情報システムとデータベースの役割を考えることで問題解決の視点を組み込んだ。

MicrosoftのPower BI Desktop(無償ダウンロード可)を活用し普及性を意識。ダッシュボードの基本的な構造を学習しやすく、ツールを使用することで点在しているデータを集めて可視化し傾向を読み取ることができる。座学では説明しづらかったリレーショナル・データベースも視覚的に捉えることができ理解が進んだ。

レポート作成後はネクストアクションを予想し意思決定につなげる機会を創出。BIツールの活用が企業に与える影響や今後社会にもたらす変化について考えさせた。生徒は「アイデアをまとめられるようになり会社のニーズに応え営業状態をよりよくしていく働きをする」「新商品開発や顧客獲得につながる可能性がある」「文字列で表すよりも多くの人に伝わりやすくデータ管理が簡単になる」「誰でも理解でき、データを情報へと変換させて活用しやすくなる」などと予想。

表計算ソフトの使用歴しかなかったが、徐々にスキルアップしビジュアル的にも創意工夫をこらし意欲的な様子が見られた。BIツールの活用により社会で活用されている情報システムの学習機会を設けることができた。興味関心を引き出しながら問題解決の視点を加えることができた。

優良賞
生徒が先生に教えるSNS懇談会&SNSの教科書作り
関西学院高等部ICT委員会 堀江さん、中井さん、足立さん

生徒主体でICT委員会を発足し学内外で活動。高校生のインターネットやSNS利用の実態について知ってほしいとSNS懇談会を開催。教員がSNSの知識を持てば問題が起きても根本的な改善点を生徒と一緒に考えることができる。

SNSについて生徒が先生に授業をするSNS懇談会を計画。実体験をもとに SNSのどのようなところで問題が起きるのか説明した。討論形式で進行。疑問点の解消や意見交換に主軸を置いた。

SNSアプリの概要をプレゼン。教員にも分かりやすい言葉で伝えるため生徒指導担当教員と推敲した。

iPadを用いてInstagramを体験。問題の生じやすい場面を、体感を交えて説明した。班ごとに委員がつき随時疑問を解消できる環境とした。

複数アカウントの使い分けについて説明。

資料としてSNSの教科書「ICTBOOK」を配布。各SNSアプリの機能や活用法、危険なポイント一覧のほか、位置情報共有アプリを用いた利用の長短の例、授業の資料作りに役立つ画像加工アプリを紹介。「今後も活動の中で大人の持つ疑問を情報収集し内容を更新していきたい」と話した。

終了後実施したアンケートでは、SNSの良いところ危険なところのどちらも理解しているのが分かったなど肯定的。

生徒は「懇談会を通し立場の違う人と話し合うことの重要さに気付いた。子供も様々な考えや価値観のもとネットやSNSを利用している。問題が起きたとしても頭ごなしに否定するのではなく子供と話し合ってほしい。」と話した。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年4月3日号掲載


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