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教育ICT

MEXCBT活用 独自問題作成・問題 小学5年生が英語「話すこと」に挑戦<君津市立清和小学校 教諭 三平大輔氏>

2024年2月5日
第105回教育委員会対象セミナー・東京

12月5日、東京都内で第105回教育委員会対象セミナーを開催した。東京都教育庁は教育データ利活用、久喜市教育委員会はSTEAM教育・探究的な学び、君津市立清和小学校はMEXCBT活用、神奈川県立生田東高等学校は学校全体で進めるICT利活用について、取組と成果を報告した。


君津市立清和小学校 教諭 三平大輔氏

君津市立清和小学校 教諭 三平大輔氏

君津市立清和小学校(千葉県)の三平大輔教諭がMEXCBT活用の効果を報告した。同校は2021年度からMEXCBTに取り組み、233月に製品版の学習eポータルを導入して更なる活用を進めている。

…◇…◇…

子供たちは元々、デジタルドリルに意欲的に取り組んでいたが、繰り返すうちに問題に慣れて単調な作業になってしまい、指導者の実感としても定着に疑問があった。

そこで、豊富な問題を搭載するMEXCBTの活用を始め、21年度は朝学習や家庭学習、授業での適用問題や復習として「ちばっ子チャレンジ100」や地方自治体作成問題に取り組んだ。

22年度は問題作成に挑戦。5年生の国語と算数で、月末に行っている基礎学力定着テストをCBT化した。作問の際は解に幅をもたせた「許容解」を設定して自動採点を意識している。

今年度は朝自習が廃止されたため、家庭学習を中心に活用している。独自作成問題は新たに外国語に挑戦した。

MEXCBTには現在約4万問の問題が搭載されており今後も拡充されていく。全国学力学習状況調査をはじめ、漢字・数学・英語検定、中卒・高卒認定試験、情報関係など様々な問題を備え、自治体による地方学力調査への活用も始まった。不具合も随時修正されている。以前は解答時に全角・半角の区別が必要だったが、半角に自動変換されるようになった。

配信する問題に困ったら、MEXCBT運用支援サイトで公開されている月ごとの利用数ランキングが参考になる。

■新たな活用法 授業中の支援資料に

独自問題を作成するメリットは目の前の子供たちの実態に合わせてPDCAサイクルを回すことができる点にある。問題作成、配信、結果を確認し授業改善や指導支援、問題の見直しに活かす。このサイクルを教員がスピード感をもって一括して進めることができる。

本校ではこれまでに5年生の国語・算数・外国語の問題を年間を通して作成しているほか、5年生の理科・社会と4年生・2年生の算数合わせて42問を作成している。

漢字の問題は読みのほか、手書きに対応していないため、文章の意味を理解して正しく変換する問題を作成した。

分数の問題は表計算ソフトの表示を意識して左に分子、右に分母を入力する形式で対応。

図形問題は、本校は画像で対応しているが、フリーソフトを用いて動く展開図を作成して活用している問題もある。

社会の問題には短答式と選択式を用意。児童の理解度に応じて選択できるようにした。

理科では授業で使った画像や子供たちが端末で撮影した動画を問題の素材に活用した。授業でまとめた表を「画像マッチ」機能を使って1マスずつ画像化し、表に当てはめる問題も作成。これは、授業中に言葉が出ず表をうまくまとめられない児童への支援資料にもなり、MEXCBTの新たな使い方が見えてきた。

■外国語「話すこと」 独自問題作成

新たに挑戦した外国語はALTが録音した音声を聞いて答える形式で、解答方法は選択式と音声で答える「話すこと」の2つを用意した。子供は自分の声で答えを端末に録音し、教員がチェック。通常の授業でしっかりコミュニケーションをとっているため、問題なくできている。

本校の端末はiPadで、録音時の雑音は少ない。一方、ファイル形式の互換性に課題があるため多少の注意が必要だ。

家庭学習でも「話すこと」に取り組んでいる。雑音が少なく、周囲の目を気にする必要もないことから、より挑戦しやすいようだ。

CBT化の流れは止まらない

本校では子供の希望に合わせて問題を配信し、解く順番も子供が決めている。苦手な問題に挑戦するなど個に応じて進めており、個別最適な学びにつながっている。

繰り返し解くことができ、各回の結果も表示されるため、教員は得点や集計結果、取り組んだ回数などを指導支援の参考にできる。今後、数値だけでなくグラフで可視化する機能が実装されるとよいと考えている。

MEXCBTの活用を通して問題作成の在り方を改めて考えるようになった。同じ単元、素材を扱う場合も、授業の内容や質、子供の実態によって作る問題は変わる。また、学習内容の説明を盛り込めば教材や資料としても活用できる。

今後のCBT化の流れは止まらないだろう。MEXCBTを日常使いすることで文字入力や端末操作、マイクの使用などに慣れ、様々なCBTに対応できるようになると考えて取り組んでいる。

更なるデータの利活用に向けては、現場の教員はデータの見方を学んできていない点が課題にある。全国共通のプラットフォームであるMEXCBTだからこそ、多様な知見を共有し次のステップへと皆で進めることができると期待している。

【第105回教育委員会対象セミナー・東京:2023年12月5日 】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2024年2月5日号掲載

 

  1. 東京都教育庁総務部 統括指導主事 岡村健氏
  2. 久喜市教育委員会 GIGAスクール推進室 指導主事 古田裕子氏
  3. 君津市立清和小学校 教諭 三平大輔氏
  4. 神奈川県立生田東高等学校 教諭 秋山紀将氏、総括教諭 大石智広氏
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