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『いろ・いろ 色覚と進化のひみつ』川端裕人/作、中垣ゆたか/絵

2024年11月1日
BOOK REVIEW

現在は「進化型」と「祖先型」に分かれる

川端裕人/作
中垣ゆたか/絵
講談社
AB判 40頁
2145円

人によって色の見え方はさまざま。赤と緑が近い色に見える人たちがいることは知っていても、当たり前に存在する色について私たちの理解は乏しい。色の見え方はどう進化してきたのか。

恐竜が栄えていた時代、哺乳類は身を守るために隠れて暮らしていた。そのため、暗い場所でよく見える目だった。次にサルのなかまが登場し、果物・葉の赤・緑が見分けられるようになる。その後、人間の祖先が現れ、狩りをするために、赤と緑よりも明るい場所でものの形がよく見える目が重宝された。これが「進化型」である。

現在、進化型の見え方をする人は、百人のうち数人程度。かなり少数派である。街の中は、サルと同じ見え方をしている多数派の人「祖先型」に合わせて作られているものが多いので、進化型の人には見えにくいものばかりだ。しかし、祖先型も進化型も、人類の進化の過程で培った色覚多様性の一部にすぎない。

巻末の解説では、進化型の一種である「派生3色型」の人も多いと知る。見え方はみな「いろ・いろ」なのだ。

講談社

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年10月21日号掲載

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