「第57回全国小中学校環境教育研究大会(東京大会)」および「第61回東京都小中学校環境教育研究発表会」が2025年12月27日、東京・新宿区のエコギャラリー新宿で開催された(後日期間限定録画配信)。環境教育の実践について札幌市小中学校環境教育研究会、栃木県宇都宮市立若松原中学校、東京都小中学校環境教育研究会による口頭発表のほか誌上発表、講演が行われた。

開催にあたり、全国小中学校環境教育研究会の關口寿也会長(東京都多摩市立連光寺小学校校長)は「教育ではこれまで、どう温室効果ガスを減らしていくかといった『緩和』への学びが多勢だったが、(生活や食文化とへの影響といった)二次被害を含む『適応』の面をも教室で重視する必要に迫られてきた」と語った。
北海道・札幌市では2025年度に新たに「札幌市小中学校環境教育研究会」(以下、札幌環教研)が設立された。札幌市内の現役の小中学校教員約20名が参加している。会長は札幌市立資生館小学校の斉藤健一教頭。全国小中学校環境教育研究会・札幌支部にもなっている。7月26日には官民連携による環境教育推進のため、札幌環教研・札幌市環境局・アドバコムの3者による連携協定を締結した。
初年度の研究として「地域・行政・企業との連携」を通した環境教育に取り組んだ。札幌市立山鼻小学校における4年・社会科「ごみはどこへ」(全11時間)と総合的な学習の時間「山鼻ごみダイエット大作戦」の単元(全12時間)の実践を紹介。札幌市環境局と連携した教材開発やインタビュー、ポスター作成等を経て、札幌市主催「環境広場さっぽろ2025」に出展した。地域の大きなイベントを学習成果の発表の場としたことで、子供たちの社会に参画する態度を育む上で非常に効果的だったという。
なお北海道では全国小中学校環境教育研究会・北海道支部も立ち上げられ、積極的に活動しており、今後道内の環境教育の推進に一層期待が寄せられる。
講演 環境省自然環境局 生物多様性センター モニタリング技術支援専門官
平松新一氏
演題は「モニタリングサイト1000調査結果から見えてきた日本の自然の変化 ~温暖化などの環境変化がもたらす生物多様性への影響~」。

平松新一氏
平松氏が勤務する「環境省自然環境局 生物多様性センター」は、山梨県富士吉田市にある、国の生物多様性の保全の推進や世界の生物多様性の保全に貢献するための中間拠点。調査・資料収集・国際協力・情報提供が事業の柱であり、「自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)」「モニタリングサイト1000」「いきものログ」などの調査を行っている。
「いきものログ」はユーザー登録をすると報告や調査への参加、検索などが利用できる。生き物を見つけた場所と日付、写真などで報告する。
「モニタリングサイト1000」は、生態系の状態を常に把握し、変化を早期に検知、データ(科学的根拠)として継続的に残し、基礎的データを整備するもの。「変化を見逃すと取り返しのつかないことになる」と平松氏。データからわかるスズメやチョウ類など身近に見られる生き物たちの減少傾向や、気候変動の影響、外来種対策の効果などを解説した。
調査結果はHP(https://www.biodic.go.jp/moni1000/index.html)で公開されている。
「いきものログ」「モニタリングサイト1000」は、学校や児童生徒も閲覧や参加ができるので、積極的に利用して欲しい、と語った。
※大会の実践発表は弊紙3月号でも掲載予定。
教育家庭新聞 教育マルチメディア 2026年2月16日号掲載