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高等学校で生徒1人1台端末、「生徒の主体的な活用」まで道半ば 所持は浸透、NW環境が課題~旺文社調査

2023年3月1日

高等学校における1人1台端末の配備は7割超(76.4%)に急増したが、一方で運用やメンテナンスにかかる教員の負担が懸念される。校内の無線ネットワークは8割以上(81.9%)の高等学校で授業での利用が可能となったが、一部ではネットワーク環境について課題があることが旺文社が全国計786の高等学校を対象に実施したアンケートから明らかとなった。

 


■半数の教員がICTの活用シーンは見極めが大事と考える

生徒用端末の利用には「探究」や「情報」などの学びに不可欠であるといった意見や、学習効果向上への貢献を望む声もある。様々なシーンでICT利用の可能性が増える一方、教員の半数以上(54.3%)が「活用する場面の見きわめが課題」と回答している。ICTの活用に手探り状態にある学校の様子がうかがえる。

 


■高等学校におけるMEXCBTの利用率は4.5%

202112月より小・中・高等学校での稼働がスタートしたCBTシステム(MEXCBT:メクビット)だが、高等学校においてはまだ少数(4.5%)で認知にも課題がある。実際の活用に向けては、端末運用や通信環境の課題をクリアしながら、どのような場面でICTを活用するか高等学校では模索段階にある。

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■モバイルICT端末の導入は約9割に上る

全国の高等学校で導入・使用されているICT機器については、「生徒用のPC端末(タブレット型)」が68.5%、「生徒用のPC端末(ノート型)」が36.9%など、いずれも昨年調査に引き続き高い割合となった。両者の回答を合わせて重複を除いたモバイルICT端末の導入率合計は88.6%に上る。


■生徒用モバイルICT端末の1人1台配備が進む

生徒の私物端末を教育利用する「BYOD」や、学校が推奨した機種を個人が私費購入して利用する「BYAD」の割合も41.0%に達した。これら生徒用モバイルICT端末の導入校に対して配備状況の内訳を聞いたところ、「生徒11台配備」は76.4%となり、「11台端末」の整備は直近3年間で急激に進んだことがわかる。


■メンテナンスに対する負担や教員用端末の不足に課題

ICT端末活用における課題を聞いたところ「十分な端末数の配備」が12.9%と、直近3年間で大幅に減少した。一方、その他の課題としては「故障時の修理代負担、代替機の用意などの補償が大変」(石川/公立)、「メンテナンスや台帳管理が煩雑であり、専門の担当者が必要」(東京/公立)、「教員に11台の端末が支給されていない」(大阪/公立)などの声も上がった。


■着実に進むネットワーク環境の整備

ネットワーク環境の整備状況については「校内のどこでも無線でのネットワークを使用できる」(38.5%)と「校内の通常教室で無線でのネットワークを使用できる」(43.4%)の割合が増えている。モバイルICT端末の配備と同時に、端末をオンラインで日常的に授業で利用できる環境の整備が進んでいる。


■一斉に使用しても繋がるようなネットワークの「質」について課題

端末活用における意識調査では「ネットワーク環境の整備」(48.9%)と一定数を占める。また、「校務用の有線LAN・生徒用の無線LAN共に、通信容量が不足しており通信速度が非常に遅い」(神奈川/公立)、「300人~900人が同時に使用しても使えるようなネット環境を期待する」(山口/公立)など、ネットワーク自体には繋がるものの生徒が一斉に通信利用できないなど、ネットワークの「質」についても課題に上がっている。

 


■コロナ禍を経て定着した恒常的なICT利用

ICTの必要性を感じるポイントについては「校務負担の軽減」(75.7%)、「教材のペーパーレス化」(69.4%)が昨年に引き続き高い割合となり、ICT活用による「校務DX」への期待がうかがえる。コロナ禍の影響で休校措置が取られた2020年と比較しても、「リモートでの課題配信」(63.1%)、「生徒や保護者との連絡」(60.4%)などの回答が減っておらず、高等学校で恒常的なICT利用が定着していることが裏付けられた。


■ICTを活用して授業展開の幅を広げて学びを深める

このほかICT活用に期待を寄せるポイントとして、「データ収集の迅速化、情報周知の効率化」(神奈川/公立)、「総合的な探究の時間等でも、より深い学びができるのではないかと考えている」(福島/公立)、「情報の授業での活用」(千葉/私立)などの意見が挙げられた。


■端末の活用では教員の活用スキルが課題

生徒用モバイルICT端末を導入している高等学校では、12.7%が「十分活用できている」、62.1%が「まあまあ活用できている」と回答。全体の7割以上が利用状況に肯定的に答えている。一方、端末活用における課題としては、「教員の活用スキルの引き上げ」(84.3%)が最多だが、同時に「活用に適した場面の見きわめ」(54.3%)の回答が昨年から増えている。一方、「端末利用を推進するのはいいが、それが目的化する危険がある」(山形/公立)、「タブレット端末を使わなくてもできることにあえて使う必要はない」(神奈川/公立)などの声も上がっており、ICTを利用すべきシーンを本質的に見きわめる目が必要とされる。


<総括:教育ICTの活用効果と価値向上に向けた課題>

今回の調査ではGIGAスクール構想を受けて、高等学校におけるICT端末の導入状況と利用実態が質と量の両面で変化してきていることがわかった。端末配備とネットワーク整備が進む中、学校現場では運用における様々な課題を抱えつつ、ICT活用の価値を本質的に享受するための方法を模索している。文部科学省のCBTシステム(MEXCBT:メクビット)については、高等学校での利用はまだ4.5%に止まっており、公的プラットフォームの普及も今後の課題といえる。


【調査概要】

調査テーマ:全国の高等学校におけるICT活用状況についての調査

調査目的:高等学校現場におけるICT機器の導入ならびにICT関連サービスの活用状況の実態を調べ、導入拡大・継続運用のための課題や、今後必要とされるサービス内容を把握する

調査対象:旺文社独自リストに基づく全国の国公私立高等学校 計5068

※中等教育学校を含む/高等専門学校・高等専修学校を除く

調査方法:対象校に対してアンケートDMを送付し、FAXおよびWebページにて回答

調査規模:786校からのアンケート回答結果を分析

調査時期:202212月上旬~20231月上旬

調査発表日:2023228

 

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