早稲田大学政治経済学部は、2027年度から新しいカリキュラムを導入し、確かな外国語能力と、数学・統計を使ったデータ分析能力を、さらに高めることを目指す。
具体的には、すべての学位プログラムにおいて、英語による必修科目を新設することで実質的な英語力の強化を図る。また、解析学・線形代数学・確率論等の高度な数学を体系的に学ぶ「数学プログラム(仮称)」を新設。あわせて、政治学・経済学におけるデータ分析の重要性を学ぶ必修科目も導入する。さらに、必修・選択必修科目の整理や演習科目体系の再編を通じて、学生の主体的な学びを促進することで教育効果の向上を図る。
早稲田大学政治経済学部は教育理念である「Philosophy Politics and Economics(PPE)」に基づき、政治学と経済学の緊密な連携によるグローバル・リーダーの育成を目指してきた。学生が卒業までに専門的な知識と深い見識を育むとともに、幅広い教養と高い外国語能力を身につけられるよう、先進的な教育プログラムを提供してきた。
これまでのカリキュラム改革では、学生が自ら問題を見つけ、広い視野で多角的かつ批判的に考え、建設的な解決策を提案できる力を育てることを目指して、少人数でのディスカッション形式の授業を多く取り入れてきた。
また、2021年度からは、こうした教育の効果をさらに高めるため、大学入学共通テストで「数学I・数学A」の受験を必須とする新しい入試制度を導入。今回の2027年度のカリキュラム再編は、より実践的かつ国際的な視点を取り入れた改革となる。
<新カリキュラムの概要>
1.英語による必修科目の設置
早稲田大学政治経済学部では、主に日本語で教育を行う、4月入学者向け学位プログラム(JDP)に加え、すべての授業が英語で提供され、英語のみで卒業が可能な学位プログラム(EDP)を2010年9月より提供。
2027年度からはJDP学生にもEDP科目の履修を必須とする。単位数などの詳細は今後決定する。また、JDP学生とEDP学生が英語を使って、プレゼンテーションなどをする必修科目「政治経済学部の学びへの誘いざない(仮称)」を設置する。
2.データ分析力の強化
早稲田大学政治経済学部では、政治学や経済学といった社会科学における数学的思考や統計学的技法の重要性が増していることを受けて、2021年度の新入試制度より一般選抜で大学入学共通テスト「数学I・数学A」を必須とした。
2027年度からの新カリキュラムでは、数学の知識基盤を持った学生が先進的なデータ分析技術を身に付けることを目的に、解析学・線形代数学・確率論といった、より高度な数学科目で構成される「数学プログラム(仮称)」を開設。あわせて、政治学・経済学におけるデータ分析の有用性について学ぶJDP・EDPの必修科目として「データ分析への誘いざない(仮称)」を導入する。
3.科目構成の見直し・整理
学生の自発的な学びを奨励し、教育効果を高めるため、必修科目・選択必修科目を整理し、科目配置を見直すとともに、演習科目体系についても大幅な改編を実施する。