スタートラインはこのほど、障害のある生徒の進路指導に現在携わる教員102人を対象に実施した「障害者生徒の社会進出に関する実態調査」の結果を公表した。
障害のある生徒の進路指導に現在携わる教員に「障害のある生徒たちの雇用や受け入れについて、企業側にもっとサポートを手厚くして欲しいと思うか」を問うたところ、約9割が、障害のある生徒たちの雇用や受け入れについて、企業側に「もっとサポートを手厚くしてほしい」と回答した。

企業側に手厚くして欲しいと思うサポートについては、「入社前の職場見学や体験実習の実施」が41%で最多。次いで「共に働く従業員に対する障害特性に関する教育研修」が37%、「障害者雇用専門の相談窓口の設置」と「教育機関との定期的な連携・情報交換」が35%となっている。

進路指導において「もっと支援すればよかった」と感じている点について、教員からは以下のような声が寄せられた。

500社以上の障害者雇用を支援してきた、スタートライン障害者雇用エバンジェリストの吉田瑛史氏
調査を実施したスタートラインの障害者雇用エバンジェリスト・吉田瑛史氏は、教員から寄せられた声には、現場での葛藤や、もっとできたかもしれないという思いが詰まっていたと述べる。これらの声から、「企業側にも“受け入れ準備”の余地が残されている」と指摘する。
職場見学や体験実習を設けることは、「採用の前段階」から障害のある若者との接点を持ち、“共に働くイメージ”を具体化できる貴重な機会だとし、受け入れ体制の質を高めるため、従業員への障害特性に関する研修や、教育機関との情報交換が重要だと述べている。
<調査概要>
調査手法:インターネット調査
調査実施日:2025年7月30日~8月1日
調査対象者:障害のある生徒の進路指導に現在携わる教員
回答数 102