大日本印刷株式会社(DNP)は11月4日、Starleyが提供するおしゃべりAI「Cotomo(コトモ)」の技術を活用したAI支援員サービスの実証を開始した。
本実証は、児童生徒がAI支援員との自然な会話を通じて心理的抵抗を和らげ、他者との関わりを深めるきっかけを提供し、コミュニケーションの促進に寄与することを目的としている。本実証は、「DNP居場所づくりプラットフォーム」上で展開し、東京都「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」(VLP)を利用する児童生徒を対象に実施する。対象自治体は、荒川区、あきる野市、八王子市。AI支援員が児童生徒と実際に会話し、AIによる心理的サポートの有効性や、コミュニケーション支援の可能性を検証する。

今回提供するAI支援員と、その選択画面
AI支援員サービスは、あいづち、声、返答の間合いや人の感情に寄り添うことに特化してStarleyが開発したおしゃべりAI「Cotomo」で培われたノウハウを活用。AI支援員との会話は音声会話となるため、端末操作に慣れていない児童生徒でも簡単に会話することが可能。AIの出力に対しNGワードを設定するほか、実際にVLPで児童生徒と関わる支援員の適切なコミュニケーションや振る舞い方をAIに学習させ、より安全な会話を実現する。
実証期間は11月28日まで。同社は今後、実証結果をもとに、VLPだけでなく「DNP居場所づくりプラットフォーム」を利用する他の自治体にも展開する。さらに、メタバース上での支援にとどまらず、地域の支援現場におけるアウトリーチとしての活用も進め、現場の支援員や教育機関、自治体との連携を強化しながら、誰もが安心して過ごせる居場所の選択肢を広げていく考えだ。